その31
「うげぇー、体が物凄くダルい。」
「その魔力で身体を強化するのどうにかならないのか?」
「むーりー。」
里に着くと泰智は一層怠さを増していった。
「もうすぐで着くから頑張れ。」
「がんばるー。」
「何故か可愛いと思ってしまった。」
「私もー。」
「眠っ。
それとクロエさん、良く片手で持てますね。」
「う~ん、少し重いくらいかな?
そういう君も片手で持てるじゃないか。」
「あれは魔力で。」
「ほれ、持ってみ。」
クロエは泰智に竜王を握らせる。
さっき水中までの重さとは違って持ちやすい重さになっていた。
「あれ?何でだ?
さっき10キロ位あったのに。」
「竜王はその持ち主の人の現状に会わせて
重さが変わるって噂があったんだが本当の用だな。
他にも色々の噂や能力があるけど後で言うとするか。」
「へ、へー。
それより寝たい。」
「我慢しろ。」
少し歩いていると何処かから
お兄ちゃんとお姉ちゃんと言う声が聞こえてくる。
その声は段々と近くなってきてその声はハッキリ聞こえてきた。
「お兄ちゃん‼お姉ちゃん‼探したよ‼」
その声の方を向くと野狐の妹でユウナギの妹(仮)の
天狐と髪の毛が白い子が近づいてきた。
「天狐、今日は用事が会ったんじゃないのか?」
「大分前に終わったよ‼
それよりみんな来てるのなら言ってくれてもいいじゃん‼
皆さんお久しぶりですって何で二人とも塗れてるの⁉」
「おー、久しぶり。さっき湖に潜ってた。」
「私もそれでいいや。」
「そ、そうなんだ。
それより私も友だちできたよ‼」
「こ、今日は皆さん。
私、モエと言います、どうぞお見知りおきを。」
モエと言う女の子は礼儀正しくお辞儀する。
「物凄く礼儀正しくて凄い。
早苗もこれぐらい礼儀正しくしてくれたらいいのに。」
「今馬鹿にされた?」
「うん、何時もの事だな。
それよりよろしくね。」
「は、はいこちらこそ。」
「モエちゃんは私の初めての友だちなんだー。
後、黒髪のお兄ちゃんから貰った宝石はちゃんと持ってるよ。」
「それは良かったよ。」
「これも蓮さん達に会ったお陰です。
もう一回お礼を言わせてください。」
「別に大したことはしてないから。」
「そだねー。」
そんなことを話していると前の方から
さっきあったコウという半人がこちらに近づいてくる。
「モエ、探したぞ。遊ぶのも程々にしとけ。」
「う、うん。」
「蓮、誰?」
「不死鳥の半人のコウって奴だよ。」
「マジで⁉不死鳥かっけぇ。
……探してたってことはコウって奴の妹かな?」
「コウ、さっきの話なんだが。」
「何度も言いますが俺は絶対に行きません。
あんな人間達の何処がいいんだか。」
コウはこちらを冷たい目で見てくる。
その目は怒ってる用に感じる。
「ハー、分かったよこの話はもうしない。」
「……それより団長の持ってる剣は見たことが無い。
新しく打った剣ですか?」
「あー、これは伝説の武器の竜王だよ。」
「な、何故その剣がここに⁉」
「あ、良いこと考えた。
コウこの剣持てたらあげるよ。」
クロエはコウに竜王を投げた。
「団長、それはいくらか舐めすぎですよ。
これぐらい片手で。」
コウは片手で竜王を掴もうとすると
持った瞬間、コウは剣を持った手ごと地面にガクンと落ちた。
「な⁉」
両手で持ち上げようとするが動く気配がない。
「持てなかったか……。
まぁ、分かってたけど。」
「こ、この剣は団長が使うんですか?」
「いいや?この剣は今担がれてる泰智君の剣だ。」
「……何故人間がこの剣を?
しかもひ弱な癖に。」
コウは泰智を見ると地面を殴った。
「蓮、俺ってひ弱?」
「多分、見た目で判断してると思う。」
「く、持って強くならないと‼
こんなんじゃ弱いままだ‼」
コウは剣を離すと背を向けてこの場を後にした。
「み、皆さんさようなら。
待ってお兄ちゃん‼」
モエはコウを追って去った。
「ハー、やっぱり駄目か。」
クロエは剣を持ち上げ少し溜め息をついた。
「何かしたかったんですか?」
「コウに教えたかったんだがな。
力とは何か、足りないものは何かを。」
「なるほど、誰よりも強くならないと弱いか。
良く漫画にいるパターンの人だな。」
「いくらなんでも読みすぎな。」
「マンガって何なの?」
「また今度教えるね。
ふぇっくし‼」
「おっと、速く行くとするか。」
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