その4
そして全員がドーナツとゼリーを食べ終わったら、
会計を済まして、喫茶店を後にする。
「ふー、美味しかったね。」
「機嫌いいな早苗。」
「いやぁー、この国お花だけじゃなくて、
ドーナツもいいとは。」
「そういや、途中から結構な花畑があるから
何かと思ったらそれか。」
「なるなる。
蓮ちゃん、さっき泰ちゃん商店街の方に行ったよ。」
「まじか、
あいついつも早く行くな。」
「しょうがないよ。」
泰智を追って行くと、
あることに気がついた。
「……なー、早苗。
ここまで来るときに、花屋あったか?」
「え?
……なかったよ?
それがどうした、
……あれ?そういえばおかしいね。」
「おー、アホでもわかったか。」
「アホじゃないもん‼
……この国、花が有名なのに、
花屋がひとつもないなんておかしい。
そう言いたいんでしょ?」
「あぁ、あってる。
ところでお前。
いつそんなこと知った?」
「宿屋でもらった。」
そう言って、俺にパンフレットを渡す。
……この世界にもあるんだ。
そんなことはおいといて、
パンフレットを開くと最初に、
「この国は、花がたくさん咲いてて、
あのルイーナ王国にも認められているんだ。」
……そもそもパンフレットってなんだっけ?
どうも自慢してるようにしか見えない。
「どうしたの蓮ちゃん?」
「いや、軽い頭痛が、
お、あれって泰智達か?」
「うん、間違いない。
あんな格好してたら遠くでもわかるよ。」
「ていうか俺らもだろ?」
「そうだった。」
「遅いぞ。」
「しゃーない。」
「それじゃあ入るぞ?」
「え?あ、……。」
そういや本来の目的を忘れていた。
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