その3
食事を終わって(スイーツは来てない)、一息ついたところで早苗は言った。
「ねー、みんな。」
「なんだ早苗?」
「今、大事なことに気づいた。」
「ん?何か忘れ物でもしたのか?」
「私達、何しにここに来たんですか?」
早苗の発言に、俺達は思い出した。早苗はアホの子だと。
「え?どうしたの?わかった‼みんな忘れてたんだね‼?」
蓮は席をたって、早苗の後ろに立つ。
「どうしたの蓮ちゃん?」
「お前は少しは話を聞けぇぇぇ‼」
そう言うと、蓮は早苗にグリグリ攻撃をした。
「キャァァァ‼痛い痛い痛いいたいいたいいたいイタイ‼ちょっと、イタイ‼蓮ちゃんイタイ‼助けいたたたた‼」
「いやぁー、このコーヒー美味しいな。」
「そうだね。」
泰智と香奈はコーヒーを飲み見なかったことにする。
「そんなこと言わず、いたいいたい‼助けてぇぇぇ‼脳‼脳が無くなる‼」
「もともとねーだろ‼」
「キャァァァ‼ヘルプ‼ヘルプゥゥゥゥゥ‼」
数分後。
「反省したか?」
「はい、大変申し訳ございません。ていうか、私全然そんなの聞いてないよ⁉」
「ウズルさんやキドさんの話を聞いてないのか?頼まれただろ?この手紙とこの箱。」
蓮は早苗にウズルさんから渡してくれと頼まれた箱と、キドさんに渡された手紙を、早苗に見せた。
「あー、そんなことがあったような。」
「手紙は後回しにして、まず箱を渡そうぜ。……おい、いい加減コーヒー飲むのやめろ。」
蓮がそう言うと、二人はティーカップを置いた。
「そう言えば、それ誰に渡すんだ?」
泰智は上の空を見ながら聞く。
「加治屋のメイシャという人に渡せばいいらしい。ちなみに加治屋の名前は文丸武具店だそうだ。」
「……文丸て、日本人か?」
「さぁ?そこはわからん。とりあえず後は歩きながら説明する。」
「そうか。」
「じゃあ行きましょうか。早苗行くわよ?」
「待って‼食後のデザートがまだ来てない‼」
早苗は泰智に迫り、目でも訴える。
「香奈が出ようとしたのに何故俺に迫る。わかったから。そんなに顔を近づけるな。」
「えへへ、やっぱり泰ちゃん優しい。」
早苗は、席に座り直した。
「そうか?俺から見ると泰智は普通だと思うぞ?」
「フッフッフッ、甘いね蓮ちゃん。」
「……何が?」
また話が長くなることを確信した。
「実はこう見えて泰ちゃんは、」
「おまたせしたしました。ドーナッツとゼリーです。」
早苗が言う前に店員が食後のデザートを持ってきた。
「あ、ありがとうございます。じゃあいただきますか。」
「まってーい‼まだ話は、」
蓮は早苗の話を聞く前に食べようとしたが、早苗が手を抑えて食べさせないようにする。
「はいはい、ドーナッツ食べた後に聞いてやるからとりあえず座れ。」
「はーい。」
早苗は座ってドーナッツを食べる。蓮はチョロいと思ってドーナッツを食べる。
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