その2
翌日。
「泰智君、蓮君、もう朝だよ。」
外の方で香奈の声が聞こえる。
「わかったー。もう出るから少し待って。泰智、起きろ‼」
さっきから起こしているが中々泰智は起きなかったけど
「……もう朝?」
目を瞑りながら泰智はそう言った。
「うん。」
「……わかった。」
泰智は立ち上がりあくびをした。
「早くしてくれ。」
「五分待って。」
五分後。
「オッケーだよ。」
「よし出るぞ。……寝癖なおせよ。」
泰智は服を着替えて顔を洗い歯を磨いたが、寝癖だけ直していなかった。泰智の寝癖は結構ひどかった。髪の毛が全部立っていた。
「気にしたら負け。」
「……せめて前髪だけでも直そうぜ?何のために五分待ったんだ?」
「五分で眠たさがなくなる。」
「とりあえず寝癖を直せ‼」
更に五分後。
「よし、これでいい。香奈待たせたな。」
そう言ってドアを開ける。
「遅かったね。まー、大体わかるけど。」
香奈はそう言って泰智を見る。
「気にするな。」
「さて、朝ごはん食べるか。……早苗は?」
「トイレ。」
「あ、はい。」
「おっまたせー‼」
朝から元気良く、早苗は廊下を走ってこちらに向かってくる。
「おはよう早苗。後廊下を走るな。」
「おっはよう泰ちゃん、蓮ちゃん。」
「それでは、早く朝ごはん食べよう‼」
「元気だな。」
一階に降りて、ホテルの鍵を返して、そして、隣の喫茶店に寄った。
「いらっしゃいませー、何名ですか?」
「四名です。」
「では、こちらのテーブルに案内します。」
店員さんがテーブルに案内してくれた。
「それでは、ご注文が決まりましたら、お呼びください。」
そう言って、メニュー表を渡して、店員さんは仕事に戻った。
「じゃあ何にしようかな。」
蓮達はメニュー表を見て何にするか決める。
「俺はランチセットで。」
最初に決まったのは泰智だった。
「私もそれで。こっちの方がお得だし。」
正直何でもよかったから、同じ奴を頼むことにした。
「じゃあ俺も。」
「みんな早いよう。」
机にベターと張り付きながらメニュー表を見る。
「早苗もランチセットにしたら?」
「うーん、それもいいんだけど、たまには、違うやつにしたいな。」
「たまにわって、お前朝御飯外で食べてる訳じゃないだろ?それで、他にどんなのがあるんだ?」
「ドーナッツとかぁ、モチモチ食パンとかぁ、コーヒーセットとかぁ、」
「すいませーん、ランチセット四人ぶんお願いしまーす。」
泰智は少し呆れて頼んだ。
「わかりました。」
「ちょちょ、泰ちゃん‼なに勝手に決めてるの‼?」
「いや、お前がさっき食べたそうなやつ、全部ランチセットに入ってるから。」
「え?ドーナッツやパンやコーヒーも?」
早苗はきょとんとした(--;)になる。
「入ってる。」
「なーんだ、それなら早く言ってよ。」
「ランチセットの内容を見てないお前が悪い。」
「それは言えてるわね。」
「早苗も少しはよく見てから考えろ。」
「だってこれに書いて、」
早苗はメニュー表の表をバンバンと叩き主張する。
「後ろ見てみ。」
そう言われて早苗は、メニュー表の裏を見ると確かに書いてあった。
「……。」
「早苗、言うことは?」
「まだご飯来ないかな?」
目をそらしながらそう言った。
「話をそらすなー‼」
「お待たせしました。ランチセットです。」
「まぁまぁ、それはおいといて、ご飯食べよう?」
「そうだな。」
そんなこんなで、朝ごはんを食べた。
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