その17
10分後。
「疲れたー‼」
早苗は近くの花を見ながら言った。
「まだ歩いて少し仕方ってないぞ。」
「疲れたんだからしょうがないじゃないか。」
「自分で言うなよ。
それはそうとなかなか道という道が見当たらないな。」
「あ、泰ちゃんさっき変に盛り上がって続いてた道あったよ。」
「さっき言えや。」
「しょうがじょないか。」
「噛んだ?」
「わざと。」
「それよりその場所に案内しろ。」
「へーい。」
早苗は先に走り案内する。
泰智はさっきの嘘だなと思いながら歩く。
しばらくするとさっき早苗が言ったとおり
変に盛り上がっている道があった。
「……めちゃくちゃ不自然だな。」
「そうなの?全然わかんね。」
「とりあえず進むか。」
「はーい。」
二人はその道を歩いていると突然霧が現れお互いに
二人を確認できる位しか見えなかった。
「早苗、離れるなよ。」
「全く泰ちゃんは心配性なんだよ。
お互いが見えるのに何をしんぱ、きゃ‼」
早苗は足を躓いて転けそうになったが
こうなるだろうなと思い泰智は転ける前に手をつかんで引いた。
「ほら、いわんこっちゃない。」
「あ、ありがとう。」
「どうも。」
二人はしばらく歩いていると霧が晴れ
さっきと違う道が続いていた。




