その10
その日の夜、蓮と泰智は屋根に上がって夜の空を見上げていた。
「……。」
「……。」
二人とも黙って星を見ていた。
「なぁー……暇だな。」
泰智は思った事を呟いた。
「じゃあ寝ろよ。」
蓮は少しそう思いながら星を眺める。
「いやだってよ、やることも無いんだぜ?」
「うん、だから寝ろよ。」
「正当な事言わないでくれる?
確かに今11時だけどよ。」
「というか何で俺達屋根の上で星見てるんだ?」
「俺は……自分の部屋あいつらに貸してるから
ソファーで寝る前に星でも見ようかなって。」
泰智は手を顎に当てながら思い出したかのように言った。
「確か俺は……あー、おねぇが部屋に入ってきて
寝た振りをして隙を見て抜け出してきたんだった。
……一種のホラーみたいだった。」
少しゾッとして蓮は両腕を少し撫でる。
「へー、ドンマイ。」
「他人事みたいに……そういえばさ前にクミって女も泰智が
戦ったとき尋常じゃない血流れてたんじゃんかよ。」
「あー、そうだね、あの時は
正直また死ぬのかーと思ったよ。」
全く感情のこもってない笑顔で笑う。
「そんときにシュリに治してもらったじゃんかよ。
その時泰智が血も一緒に治らなかったのは聞いたのか?」
「あー、聞いたよ。
どの治癒魔法も血液だけは戻せないみたい。
あくまで傷と体力を戻すだけだってよ。
で、その後輸血は無いのか聞いたら
この世界の医者は極少ないらしい。
5つ国を回って医者がいるかどうかだとよ。」
「ということはお前のそのスキル希少ってことか。」
「そうなるな、まぁ蓮もその希少スキル持ってるじゃん。」
そう言って泰智は目を閉じる。
「そう……だけど、あんまり使えないけど。
建築って言ったって家作るだけだもんな。」
「城とか作れたり。」
「……今度城作ってみる。」
「あ、マジで?」
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