その7
「……うん、剣は入ってたよ。」
泰智は少し気まずくなった。
「た、確かに入ってたけど錆びてたな。
よう……よっちゃんこれ直せますか?」
蓮は慌てて言い直した。
「う~ん、直したところで斬れるかどうかまでは。
……陽子って言いそうになったろ?」
「いえ、そんな事は無いです。」
陽子はジーっと蓮を見て蓮はそれに会わせて目を反らす。
「あ、泰ちゃん前に使った復元魔法使ったら?」
早苗はふと思い出して泰智に言った。
「おぉ~、早苗にしては頭使ったな。」
「えっへん。」
早苗はドヤ顔をしたが泰智は見てなかった。
「いつの間にそんな魔法を。」
香奈は少し興味津々で泰智に聞いた。
「洞窟行ったときより少し前に覚えた。
後面白いものも覚えた。
では、復元開始‼」
泰智はそういって剣を持って詠唱する。
しかし剣はずっと錆びたままで
泰智の魔力がごっそり削れていった。
「た、泰智君、戻ってないけど大丈夫?」
香奈は少し不安になって聞いた。
「そ、その前に魔力が切れたんですけど。」
「それって本当に戻るの?」
メイシャは錆びた剣を見ながらその剣に触れてみた。
「この復元魔法は魔力を消費する値によって
前の時間に戻すんですよ、例えばMPを1消費することで
一時間から十時間前に戻るんですよ。
まぁそこはおいおい練習とかして
細かい時間もできるようにしますけど。
今この剣に全部魔力を使っても戻りませんでした。」
泰智は少しよろよろしながら歩きソファーの横になった。
「ちなみにどれくらい魔力があったんだ?」
蓮は自作冷蔵庫からお茶を取り出しながら聞いた。
「え~と、具体的には大体150位……だと思う。」
泰智はグダーとしながら答えた。
「その魔力が多いのか少ないのか
正直分からないが結構使ったんだな。
それより顔色悪いけど大丈夫なのか?」
「魔力全部一気に使ったから少し気分が悪い。」
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