その15続
「お邪魔しまう~。」
早苗は勢いよく扉を開け中の部屋に入る。
「何があるのか分からないのによく開けるな。」
続いて泰智とこころが部屋に入る。
「勢いが大切なんだよ。
で……このレバー達は何だろう?」
見渡すと五つのレバーが壁にくっついていた。
奥のレバーだけが下がっていた。
「う~ん、どれか外れでどれか当たり……なんだろうな。」
「とりあえずこれで。」
早苗は手前にあったレバーを下ろす。
すると泰智の頭の上からたらいが落ちてきて頭に当たった。
「いってぇ‼
何でたらいが⁉」
「う~ん、外れか。」
「全く……今度は慎重に考えて」
「じゃあこれ‼」
早苗は隣のレバーを下ろす。
しかし何も起きなかった。
「これも外れか。」
「あのな……お前がやるとろくなことしか起こない、
だからちょい変われ。」
「やーだ‼」
そういって早苗は次のレバーを下ろした。
すると一部の壁が上に上がり新しいカード扉が現れた。
「よ、良かったこいつの事だから
更によからないことが起こるかと、」
「最後のもえい‼」
早苗は四つ目のレバーも下ろした。
しかし何も起きなかったが下ろしたレバーが折れた。
「あ、……取れた。」
「取れたじゃねーよ‼
どうするんだよこれ……まぁ直せるからいいけど。」
泰智はそういって折れたレバーを
壁に指しながら魔法詠唱を始めた。
「……リターン。」
するとレバーは元に戻ったら。
「すっごーい泰ちゃん‼
何やったの⁉」
早苗は興味津々で聞いてきた。
「1日一回の復元魔法だよ。
作れて良かったぜ。」
「さっすが泰ちゃん‼
頼りになる~‼」
早苗は泰智の背中を叩こうとしたが床に躓いて転けそうになる。
思わず最後のレバーに掴み踏ん張るが
その衝撃でレバーが折れた。
「……おい。」
「た、泰ちゃん……ごめんさい。」
早苗は手に持ったレバーを握りしめながら泰智に謝る。
「まぁもう来ることは無いだろうし大丈夫だろ。
それよりも大丈夫か、どっかぶつけてないか?」
「大丈夫だよ。
それよりやっぱり優しいね泰ちゃん。」
「はずいからやめろ。」
少し泰智が照れた。
「照れて~かわいい‼」
「張り倒すぞ。」
「わー、それより早く行こうよ‼
こころちゃん行くよ‼」
早苗はこころの手を引きながら隠し扉の先に行く。
「全く……というか先に行くな‼」
泰智は二人の後を追った。
感想や評価、ブグマよろしくお願いします。




