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その11
「何で動かないんだ?
いや、動かない方が好都合。
香奈、あの蜘蛛燃やせる?」
「わ、分からないけどやってみる。」
香奈は蓮に言われた通り蜘蛛を燃やそうと詠唱する。
すると蜘蛛は香奈の方を見て糸を飛ばしてきた。
「ま、まだ詠唱中なのに‼」
「香奈避けろ‼」
香奈は詠唱を止めて避けようとしたが
腕に当たってそのまま壁にくっついた。
「う、動かせない‼
糸をほどくのは無理そう。」
「燃やすのはさすがに危ないな。
待ってろ今そっちに行って糸を斬る‼」
蓮は香奈の方に走った。
「蓮君後ろ‼
糸が飛んできてる‼」
香奈の言葉に後ろを見ようとして転けた。
幸いにも糸は蓮の頭上を通って避ける形になった。
「ふ、不幸中の幸いだった……。」
「蓮君、私の事よりあの蜘蛛に集中して‼」
「だ、大丈夫なのか?」
「多分大丈夫よ。」
「なるべく早く倒すから待っといてくれ‼」
蓮は再び蜘蛛を見て身構える。
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