その9続
蓮が部屋に入った頃。
「……二つ扉あるけどどうする?」
泰智達はしばらく歩いていると扉が二つあった。
「どっちでもいいんじゃない?」
「まぁ俺もどっちでもいいんだけどな。」
「だよね~。」
「それでもどちらかを選らばらないと進めないしな。
……とりあえずちょっと開けてちょっと覗くか。」
「みょっと開けてみょっと覗くの?」
早苗は満面の笑みで泰智に聞く。
「殴りたいその笑顔。」
泰智は殺気混じりの笑顔で早苗に返す。
「こ、怖いよ笑顔。」
「全く……少し待ってろよ。」
泰智は少し扉を開けちらっと中を覗く。
中は少し広かったがそれよりも少し奇妙な光景を見た。
部屋はでかい繭が六個吊るされていた。
「……何だこの繭。
すっげぇキモいんだが。」
「何かあったの~。」
早苗は隙間から中を覗こうとする。
「こら、勝手に覗くな。」
「いいじゃん減るもんじゃないし。」
「お前はこころを見とけ。」
「こころちゃんも中見たいよね~。」
こころは軽く頷く。
「というわけで見させて。」
「だーめ。」
その時、繭が動き始めた。
泰智は見た瞬間少しヤバイと思った。
「泰ちゃん?」
「早苗……今すぐ回れ右して耳塞いどけ。
後目も瞑っとけ。」
「何で?」
「いいから、こころも回れ~右。」
泰智は二人を扉を背にして耳を塞ぐよう念を押した。
「いいかー、俺が出てくるまで中を覗くなよ。」
「分かった~。」
「……さて、孵化する前に倒すか。
うん?繭だから孵化ではないような……まぁいいか。」
泰智は扉を開けて部屋に入った。
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