その8
薄明るい洞窟の中蓮と香奈はゆっくりと歩く。
「……少し明るいけどまだ怖いな。
香奈はこういうのはだってなのか?」
蓮はビクビクしながら香奈に聞く。
「わ、私怖い系は苦手なのよ。」
落ち着かない様子で香奈は答えた。
「そ、そうか。」
「……。」
「……。」
無言の状態が続く。
「(な、何か話さないと。
無言の状態だからますます怖くなってきた。)」
「そ、そういえばさ。」
香奈は蓮の気持ちに察したのか
はたまた同じことを考えていたのか香奈が話しかけてきた。
「な、何?」
「こころちゃんの事何か聞いてない?」
「と、特に何も聞いてない。」
「そ、そう……。」
また無言の状態が続く。
「(馬鹿か俺は‼
折角香奈が話しかけてきたのに。
ここは俺が何か話さないと。)
か、香奈って泰智と早苗の事どう思ってる?」
「え、う~ん?」
蓮の質問に香奈は少し考えた。
「早苗は明るくて元気で回りを明るくしてくれる。
少し落ち込んでるときその明るさで笑顔になったときもあるよ。
でも大分おっちょこちょいでいつもトラブルを持ってくる。
泰智君は……優しいけど何か抜けてる。
他人には危ない橋を渡らせないのに自分はその人の代わりに渡る……いつか危ない事が起きてもおかしくないよ。
それに一人でいつも何かを抱え込んでる。
でも……そんな部分に助けてくれたかな。」
香奈は蓮に少し照れながら語った。
「……香奈も落ち込んだり誰かに助けて貰ったりしてたんだな。」
「私は完璧でも何でもないわよ?
普通の高校生だよ。」
「金持ちのお嬢様じゃないか。」
「まぁ……あんまりそういうのは気にしてないけどね。」
「それより……何か寒くなってきてないか?」
奥に進むにつれて洞窟の中が寒くなってきた。
「少し肌寒い。
こんなに寒くなるなんて思わなかった。」
「とりあえず何があるのか確かめるか。
一様急ぐか、走ったら暖まるだろ。」
「わ、分かったわ。」
蓮と香奈は洞窟の奥を目指して走った。
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