その7
下に降りて行く度に呻き声が大きくなり
不気味さが増していく。
「……凄く怖いんですけど。」
「そ、それより早苗から貰った懐中電灯付けないと。」
「そ、それもそうだな。」
蓮は懐中電灯を取り出して電源を入れた。
しかし光は付かなかった。
「……もしかして電池入ってない?」
蓮は懐中電灯の電池の部分を見ると電池が入ってなかった。
「あいつ……電池入れてから渡せよ‼」
「そもそもこの世界に電池あるの?
それと何で懐中電灯だけ持ってたのかしら?」
「あいつの考えてることが分からん。
香奈、何か明るくする魔法ないか?」
「う~ん、フラッシュあるけど
一時的に明るくなるだけだから解決にはならないよ。
連続で使用すると魔力無くなるからそんなことも出来ないわ。」
「ハー、せめて松明かカンテラがあれば。」
「というか真っ暗でどこに蓮くんがいるか分からないわ。」
「確かに声は聞こえるんだがどこにいるのか分からん。」
「一瞬だけフラッシュ使うわね。」
「そうしてくれ。」
蓮がそういうと香奈が何かを唱え始めた。
「……フラッシュ‼」
フラッシュと香奈が言った瞬間辺りが一瞬だけ明るくなった。
一瞬だけだが蓮は後ろの方に香奈がいて
少し先に前に閉じた扉があった。
「香奈ナイスだ。
目の前に扉があった。」
「私も蓮くんが見えたわ。」
「とりあえず扉の方に進むぞ。」
二人は見えない中壁に手を当てながら
扉があると思われる前に着く。
「ここだよな。」
蓮は軽く壁を叩く。
ドンドンと扉を叩いた音と一緒の音が響く。
「ここだな。
さて、開くかな。」
手探りで扉を調べてみるが取ってらしき物が無かった。
「開かねーわ。」
「どうしたら開くのだろうね?」
二人は少し悩んでいると目の前で扉の開く音が聞こえた。
「……開いたな。」
「どうして開いたんだろう?」
「分からんが……とりあえず進むか。」
「そうね……罠とかじゃないわよね?」
「……ありえる。」
二人は慎重に開いた扉に入る。
その先は少し明るく分かれ道が二つあった。
「良かった明かりがある。」
「でも分かれ道が。」
「う~ん、とりあえず左に行くか。」
「そうね、変に考えたりして
時間を削るよりそっちの方が良いわね。」
二人は左の道に進む。
その直後開いた扉が勝手に閉じた。
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