その120
「え……景色変わった?」
泰智は少し驚いて辺りを見渡す。
「何だ泰智だったのか。」
「あ、蓮ちっす。
あ、門番さんありがとうございました。」
「いえ、お役にたてて光栄です。
では、私はこれで。」
門番の人はこの場を後にした。
「……お前、その箱と頭の犬は?」
「両方とも拾った。
ちなみに犬の名前はメリーだ。」
「何でもかんでも拾ってくんな‼」
蓮は近くの本を泰智に投げる。
その本は見事泰智の頭に当たった。
「本を投げないで‼」
「あ、ミチさんすみません思わず。」
「泰智も大丈夫か?」
「はい、少し痛みますけど大丈夫です。」
「あ、泰ちゃん帰ってきてたんだ。」
早苗はだらーっとしながら泰智に言う。
「うん、ただいま。」
「泰ちゃん泰ちゃん、その頭にいるの犬だよね?」
「あぁ、メリーって言うんだ。
家で飼ってる犬にそっくりだったからな。」
「確かに似てるね。
このお腹のふっくら具合とか。」
早苗は立ち上がり泰智の頭に乗っかっている
メリーを抱き上げ再び椅子に座りモフモフする。
「やっぱりモフり始めたか。」
泰智はしれっと空いている椅子に座る。
「で、その箱の中身は?」
「スナイパーライフルに似た銃。」
「何拾ってきてんだ‼」
「まぁまぁ、落ち着いて。
それより蓮はこの銃見て何か知らない?」
泰智は箱を置いて蓋を開けて蓮に見せる。
「……俺が知っているとでも?」
「だよね~。」
「その口縫うぞ‼」
「おぉ、怖い怖い。
さて、俺は作業に入るか。」
泰智は袋の中身を取り出し布を置き針と糸を出し
針に糸を通して布を縫う。
「……何縫おうとしてるんだ?」
「昨日爆発して無くなった人形の変わり。
それとお嬢様の新しい人形。」
「そうかい。
……俺も暇だし本でも読むか読めるやつで。」
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