その118
泰智視点。
「……城の回りに人が多すぎて城に入れない。」
泰智は近くの椅子に座りながら悩む。
「ただでさえ一人なのに。」
「一人じゃないですよマスター。」
フードの中からミクロがひょこっと出てくる。
「ありがとうマキ。」
「後マスター、髪の毛がくすぐったいです。
フードの中にまで届いています。」
「あー、すまん。
それよりどうしたものか。」
「蓮さんに連絡してみては?」
「あー、そういえばあったな。
早速掛けるか。」
泰智は蓮に掛けてみるが一向に繋がらない。
「……繋がらない。」
「ではどうします?」
「なら、誰か来るまで待つか。」
「あ、マスター近くで誰がないてます。」
「え、泣いてるの?
どこで?」
「あそこの道です。」
「よし、案内してくれ。」
数分後。
「く~ん。」
「かわいいぃぃ‼
何て種類の生物ですか⁉」
「……なるほど、確かに鳴いてるね。
ちなみに犬って種類の生物だよ。
更に紀州に近いな。」
「き、きしゅう?」
「えっと、何て言えばいいんだろう。
狼に少し似ている感じって言えばいいのかな?」
「なるほどこの犬は狼の友達なのですね。」
「こんな世界でも犬を捨てるやつがいるんだな。」
「マスター、何故少し悲しそうな顔をしているんですか?」
「あ、すまん。
ただ酷いやつもいるもんだなって思っただけさ。」
「そう……何ですか?」
「それよりどうするか。」
「この犬モフモフしていてさわり心地良いです~。」
「……仕方ない飼うか。
名前は……家で飼っているメリーに似てるから
同じ名前にするか、何より同じモフモフだからな。
お前もそれで良いか?」
「ワン‼」
「よーし、これからお前の名前はメリーだ‼
よろしくな‼」
「よろしくですメリーさん‼」
二人はその後十分ぐらいメリーを撫でていた。
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