その20
「や、やっと…終わった。」
「つ、疲れる。」
「お疲れ様、でもまだまだあるぞ。」
「え~。」
「ハー、看病してた方がいいや。」
「…泰智?」
「うん?」
「香奈は?」
「幻惑魔法を長いこと使いすぎて
疲れてるから寝てる。」
「へー、そうか。」
「じゃあ俺は持ち場に戻るわ。」
「そうかい。」
「じゃあ私も。」
「逃げるな‼」
「え~。」
「まぁまぁ、蓮よ、
いえ建てるのにこんなに時間掛かったんだ。
そんなに急がなくてもいいじゃないか?」
「それもそうだが…。」
「それに、人数はもうちょっといた方が
いいじゃないのか?」
「……そうだな。
家よりこの村の人らの看病をしようか。」
「よしじゃあ行こう‼
レッツゴー‼」
「相変わらず元気があるな。」
「そう言えば、あの変態達は?」
「あの王国軍か、
いつの間にか逃げていたよ。」
「え~、嫌だな、もう関わりたくないよ。」
「それは、俺もだよ。」
「右に同じく。」
「あ、いたいた‼
オーイ泰智君達‼」
「ウズルさんどうしたんですか?」
「すぐに診療所に‼」
「わかりました‼
すぐ行きます‼」
「俺達も‼」
診療所に着くと意外な光景があった。
「あ、ウズルさんお久しぶりです。」
「え?」
「ハー、よく寝た‼」
「あ、あの……ウズルさん?
これは?」
「見ての通り皆起きた。」
「ハー、ビックリした‼」
「驚かさないでよ。」
「いやー、すまんな起きたから報告しないと
思って。」
「何?もうちょっと静かにして。」
「おはよう、香奈。」
「お、おはよう泰智君。」
「ウズルさんその人達は?」
「あぁ、この人達は、」
「こ、こいつら影の一族じゃないか?‼」
「へ?」
「た、確かにあり得る‼」
「こ、この村から出ていけ‼」
「え、ウズルさん影の一族て?」
「……暗殺やドラッグなどやってる闇の一族だ。
最近ではヤバイことにも手を出している。」
「やばいこと?」
「それは、」
「お、おい、ウズルさんから離れろ‼」
「待て、こいつらはお前達を、」
「俺達に何をした‼
答えろ‼」
「待て、落ち着け。」
「落ち着けだと?
俺らは落ち着いてる‼」
「そもそも何で私達影の一族じゃないわよ‼」
「じゃあ、その黒い瞳と髪の毛はどう言い訳する‼」
「これは生まれつきだ‼」
「やっぱりだ‼こいつらは影の一族だ‼」
「え~理不尽だ‼
ウズルさん、何でこの人達はこんなに
影の一族に起こってるんだ?」
「影の一族は王国の手下だ。」
「それでか。」
「待てお前達‼」
「キ、キドさん。」
「あ、キドさん。
何とか言ってください‼」
「この人達は、この村を助けてくれた‼」
「し、しかしこいつら影の、」
「確かに黒髪で黒の瞳だがそれだけじゃあ理由にならない。
それに、この人達はお前らも助けてくれた‼」
「え?」
「この人達が来なかったらお前達は王国に
行って、何されるかわからなかった。」
「…信じていいのか?」
「へ?」
「お前達を信じていいのか?」
「あぁ、信じていい。」
「そうか。」
その言葉で皆の怒りは収まった。
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