その64
「ただいま。
……わーお、凄いことになってるね。」
「た、泰智お帰り。」
「……ミクロの目ますます黒くなってない?
死んだ目をしているのだが。」
「あの状態本気らしいよ。」
「へー。
それでナッキーは?」
「あ、そういえば。」
「あ、彼ならさっき本棚が倒れた衝撃で少し飛ばされたわ。」
ミチは机の方に指を指す。
見るとナッキーは机の所まで飛ばされていた。
「いや、少しじゃないよね‼
結構飛ばされたよね‼
六メートルほど飛ばされたよね‼」
「落ち着け蓮。
本棚の倒れた衝撃で六メートルほど
飛ばされたぐらいで死ぬやつがいるか。」
「いや、そうだとしてもあの妹さんをどう止めるんだよ‼」
「……約束破っちまうがしょうがないか。」
「え……約束?」
「あ、気にしなくていいよ。
昔に約束したんだよ、女子は殴らないって約束。」
「……何する気だ?」
「とりあえずロングスリーパーで落とす。」
「泰智……それ殴るに入らないよ。」
「……訂正するわ。
女子に攻撃しない。」
「おい‼
シャキッとせい‼」
「いや~すまんすまん。」
泰智は後ろに振り返りゴメンの構えをする。
「いや、ゴメンしなくていいけど。
泰智後ろ。」
「うん?」
泰智は再び後ろに振り替えると真ん前にミクロが立っていた。
「お兄ちゃん……あーそーぼ‼」
「……だが断る。」
泰智がそう言った瞬間ミクロは泰智目掛けて右の拳で殴る。
泰智はミクロが殴るモーションに入る前に
手を構えてパンチを受け止め握る。
「おう早いな~。
でもミクって女子の方がもっと殴るのが速いぞ?」
「やっぱりお兄ちゃんと戦うの楽しいな‼」
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