その57
「ハァハァ、ヤバイ追い付かれる‼」
「頑張れ泰ちゃん‼」
「お前の後で本当に覚えとけよ。」
「アハハ待て待て♪」
泰智は左に曲がろうとしたがミクロが前にいた。
ミクロは回りをキョロキョロしていた。
「げぇ、何で前にいるんだよ⁉」
泰智は急いで体を右に曲げるが後ろに
剣を持ったミクロが立っていた。
「え~、何でもう一人いるんだよ。」
「おぉ~、凄い‼
泰ちゃん、これが影分身なのかな?」
「お前は少し黙っといて。」
「お兄ちゃん、もう鬼ごっこは終わりだよ。
次は戦闘ごっこしようよ。」
泰智は後ろを見る。
後ろのミクロはこちらに気づいて近づいてくる。
「一つ聞いてもいいか?
後ろにいるのはお前の分身か?」
「うん、そうだよ。
色々欠点とかもあるけどね。」
「蓮達の方のも分身か?」
「うん、そうだよ。
でも、お兄ちゃん私と遊ぶから
そんなこと聞いてどうするの?」
「なるほど……後ろのミクロちゃんは偽物。
蓮達の方も偽物か。
……なら納得した。」
「何が納得したの?」
「ミクロちゃん君の分身の欠点証拠は少ないけどわかったよ。
少なくともこの場を脱出することはできるな。」
泰智はそう言って紙とあるものを早苗にこっそり渡す。
「?
これな。」
「黙って読め。」
泰智は小声で早苗に言う。
「何々?
……うん、わかった。」
「へぇー、それは聞きたいな。」
「薄々分身ってのは気づいてたよ。
蓮達が逃げてる時に四人見た時少し思った。
初めは何で増えたのか分からなかったよ。
でも、俺達に現れたミクロちゃんの走りが遅すぎた。
あの時見たスピードと全然違ったからな。
多分攻撃の威力も違うだろうな。
それで俺は思った、これは能力で増やしたのだと。
それも上限があるそうだろ?」
「おぉ~、凄いね‼
こんなあっさり私の分身の秘密が分かるなんて‼
答え合わせもしたいけどお兄ちゃんは
ここで壊れちゃうから残念だよ。」
「それはどうかな?」
「?」
「早苗‼」
「アイアイサー‼」
早苗は前と後ろのミクロ目掛けてさっき渡された物を投げる。
「……な~んだただの人形か。
何か策があるのかと思ったよ。」
「ただのじゃないんだけどな♪」
「え?」
人形が地面に落ちた瞬間爆発して図書館全体が揺れる。
「お、おおう。
これほど爆発の威力があるとは。」
「泰ちゃん泰ちゃん。ミクロちゃん大丈夫かな?」
「後ろの方は。
……いなくなってるな。
前にいる方は……いない。
ギリギリ回避したのか?」
「それより泰ちゃん。
この紙とっさに書いたの?」
「あー、うん。
見ずに書いたから読みにくかった?」
「いや、むしろ私より字が綺麗だったんだけど。」
「そんなことはありませんよ早苗様。」
泰智のフードの中からマキが出てきた。
「わっ、ビックリした‼」
「早苗様も字が綺麗じゃないですか。」
「そ、そうだよね。
ありがとねマキちゃん。」
「それより蓮達を探すか。
早苗、もう歩けるだろ?」
「あ、さっきの爆発で足が。」
「……そのうちお前ナマケモノになるぞ。」
「いいじゃん、減るもんじゃないし。
それに足が痛いのは本当だよ。」
「わかったよ。」
泰智はそう言って走り出す。
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