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俺達の冒険物語  作者: 梅松
エリュテーマ王国編
232/1019

その57

「ハァハァ、ヤバイ追い付かれる‼」


「頑張れ泰ちゃん‼」


「お前の後で本当に覚えとけよ。」


「アハハ待て待て♪」


泰智は左に曲がろうとしたがミクロが前にいた。

ミクロは回りをキョロキョロしていた。


「げぇ、何で前にいるんだよ⁉」


泰智は急いで体を右に曲げるが後ろに

剣を持ったミクロが立っていた。


「え~、何でもう一人いるんだよ。」


「おぉ~、凄い‼

泰ちゃん、これが影分身なのかな?」


「お前は少し黙っといて。」


「お兄ちゃん、もう鬼ごっこは終わりだよ。

次は戦闘ごっこしようよ。」


泰智は後ろを見る。

後ろのミクロはこちらに気づいて近づいてくる。


「一つ聞いてもいいか?

後ろにいるのはお前の分身か?」


「うん、そうだよ。

色々欠点とかもあるけどね。」


「蓮達の方のも分身か?」


「うん、そうだよ。

でも、お兄ちゃん私と遊ぶから

そんなこと聞いてどうするの?」


「なるほど……後ろのミクロちゃんは偽物。

蓮達の方も偽物か。

……なら納得した。」


「何が納得したの?」


「ミクロちゃん君の分身の欠点証拠は少ないけどわかったよ。

少なくともこの場を脱出することはできるな。」


泰智はそう言って紙とあるものを早苗にこっそり渡す。


「?

これな。」


「黙って読め。」


泰智は小声で早苗に言う。


「何々?

……うん、わかった。」


「へぇー、それは聞きたいな。」


「薄々分身ってのは気づいてたよ。

蓮達が逃げてる時に四人見た時少し思った。

初めは何で増えたのか分からなかったよ。

でも、俺達に現れたミクロちゃんの走りが遅すぎた。

あの時見たスピードと全然違ったからな。

多分攻撃の威力も違うだろうな。

それで俺は思った、これは能力で増やしたのだと。

それも上限があるそうだろ?」


「おぉ~、凄いね‼

こんなあっさり私の分身の秘密が分かるなんて‼

答え合わせもしたいけどお兄ちゃんは

ここで壊れちゃうから残念だよ。」


「それはどうかな?」


「?」


「早苗‼」


「アイアイサー‼」


早苗は前と後ろのミクロ目掛けてさっき渡された物を投げる。


「……な~んだただの人形か。

何か策があるのかと思ったよ。」


「ただのじゃないんだけどな♪」


「え?」


人形が地面に落ちた瞬間爆発して図書館全体が揺れる。


「お、おおう。

これほど爆発の威力があるとは。」


「泰ちゃん泰ちゃん。ミクロちゃん大丈夫かな?」


「後ろの方は。

……いなくなってるな。

前にいる方は……いない。

ギリギリ回避したのか?」


「それより泰ちゃん。

この紙とっさに書いたの?」


「あー、うん。

見ずに書いたから読みにくかった?」


「いや、むしろ私より字が綺麗だったんだけど。」


「そんなことはありませんよ早苗様。」


泰智のフードの中からマキが出てきた。


「わっ、ビックリした‼」


「早苗様も字が綺麗じゃないですか。」

 

「そ、そうだよね。

ありがとねマキちゃん。」


「それより蓮達を探すか。

早苗、もう歩けるだろ?」


「あ、さっきの爆発で足が。」


「……そのうちお前ナマケモノになるぞ。」


「いいじゃん、減るもんじゃないし。

それに足が痛いのは本当だよ。」


「わかったよ。」


泰智はそう言って走り出す。

 

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