その56
泰智・早苗視点。
「早苗もっと早く走れ‼」
「ぜぇ~ぜぇ~、まってよ~。」
「ミクロ……来てないな。」
「た、泰ちゃん、疲れたよ。」
「運動してない結果がこれだよ。」
「ハァハァ、少し休憩。」
「座るな‼」
「た、泰ちゃん、じゃあおんぶして。」
「やだよ。
疲れんやん。」
「けち~。」
「ハァー。
……早苗そろそろ立つ準備しとけ。」
「え?」
「アハハハハ‼」
ミクロがのらりくらりと歩いてくる。
「楽しいな、楽しいな。
もっと楽しくしたいな‼」
「あわわわ‼」
「おい、早く立てよ。」
「あ、足が。」
「足がすくんだのか?」
「マラソンで走っりきって倒れこんで
立てなくなる時と一緒で立ち上がれない。」
「ただ疲れただけじゃねーか‼」
そう言っている間にミクロがだんだん近づいてくる。
「……本当に立てないのか?」
「うん。」
「……ハァー、しょうがないな。」
泰智は早苗を抱き上げて走る。
「あ、泰ちゃんありがとう。」
「早苗、帰ったらフルマラソンな。」
「あ、やっぱり走った方がいいや。
あ、でも足がだんだんと痛くなってきた。」
「運動しなさすぎだ。
ってあぶねぇ‼」
ミクロが泰智に向かって本を投げている。
泰智はそれを避けているが後ろから
だんだん爆発する音が聞こえる。
「よし、本気で走るか。」
「あ、泰ちゃんお姫様だっこで思い出したんだけど
私達がミクロちゃんを探してるときに男の人が
女性をお姫様だっことしながら女の子を肩車してた
人が屋根の上を走ってたんだよね。
その人を今探してるんだよね。
何か知ってない?」
「あー、うんシラナイナー。
(やべー、見られてた。)」
「あ、何か知ってるね。」
「今全力で走ってるから黙っといて。」
「あ、はい。」
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