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俺達の冒険物語  作者: 梅松
エリュテーマ王国編
231/1019

その56

泰智・早苗視点。


「早苗もっと早く走れ‼」


「ぜぇ~ぜぇ~、まってよ~。」


「ミクロ……来てないな。」


「た、泰ちゃん、疲れたよ。」


「運動してない結果がこれだよ。」


「ハァハァ、少し休憩。」


「座るな‼」


「た、泰ちゃん、じゃあおんぶして。」


「やだよ。

疲れんやん。」


「けち~。」


「ハァー。

……早苗そろそろ立つ準備しとけ。」


「え?」


「アハハハハ‼」


ミクロがのらりくらりと歩いてくる。


「楽しいな、楽しいな。

もっと楽しくしたいな‼」


「あわわわ‼」


「おい、早く立てよ。」


「あ、足が。」


「足がすくんだのか?」


「マラソンで走っりきって倒れこんで

立てなくなる時と一緒で立ち上がれない。」


「ただ疲れただけじゃねーか‼」


そう言っている間にミクロがだんだん近づいてくる。


「……本当に立てないのか?」


「うん。」


「……ハァー、しょうがないな。」


泰智は早苗を抱き上げて走る。


「あ、泰ちゃんありがとう。」


「早苗、帰ったらフルマラソンな。」


「あ、やっぱり走った方がいいや。

あ、でも足がだんだんと痛くなってきた。」


「運動しなさすぎだ。

ってあぶねぇ‼」


ミクロが泰智に向かって本を投げている。

泰智はそれを避けているが後ろから

だんだん爆発する音が聞こえる。


「よし、本気で走るか。」


「あ、泰ちゃんお姫様だっこで思い出したんだけど

私達がミクロちゃんを探してるときに男の人が

女性をお姫様だっことしながら女の子を肩車してた

人が屋根の上を走ってたんだよね。

その人を今探してるんだよね。

何か知ってない?」


「あー、うんシラナイナー。

(やべー、見られてた。)」


「あ、何か知ってるね。」


「今全力で走ってるから黙っといて。」


「あ、はい。」

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