その19
翌日。
「ふぁー、だいぶ寝たな。」
「蓮ちゃん蓮ちゃん蓮ちゃん‼」
「何だよ朝から元気だな。」
「早く、早く外にきて‼」
「何だ何かあるのか?
……え?」
俺は見て言葉を失った。
昨日もらって植えた苗がもう大木になっていた。
「ね、すごいでしょ‼」
「これは、凄いや。」
「でしょ‼」
「でも、話しだとまだ早い。
いや、早すぎる。」
「そうかな、
早かった方がいいじゃん。
それに、家も早く直るじゃん‼」
「それもそうか。
よし、始めるか。」
「で、何からやるの?」
「まずは、この木を切るか。」
「よし切ろう。
……どうやって?」
「確か大工セットの中に、
……あったあった。」
俺はノコギリを取り出した。
「切るから離れろよ。」
「はーい。」
なかなか切れないな。
もう少し力をいれるか。
「ミャー。」
「泰智の猫か。
離れとけ。」
「シャマ、こっちに。」
「名前決まったんか。」
「そうだよ、昨日泰ちゃんが決めてた。」
「へぇー。」
「えへへ、シャマー。」
「そろそろ倒れるからもうちょっと離れとけ。」
「はーい。
こっち来ようねシャマー。」
「ミャー。」
「よし‼切れた。
にげろー。」
ドンガラガッシャーン‼
「……ふー、セーフ。」
「アウトだアホ。」
「おー、泰智来てたんだ。」
「今な。
もうすこし静かにできんのか?」
「しゃーねーだろ。」
「はー、まぁいい早く建てようぜ。」
「そうだな。」
「頑張ってー。」
「ミャー。」
「お前も手伝え。」
「えーやだー。」
「それより、これ運ぶの手伝え。」
「…泰ちゃん、朝御飯なに?」
「白ご飯と味噌汁。」
「えー、昨日と一緒?」
「無視するなぁぁぁ‼」
数分後。
「はー、ご飯美味しかった‼」
「早苗、そうやって逃げるな。」
「泰ちゃん、次はもうちょっと量増やして?」
「わかったがもうちょっと先かな?」
「そろそろ怒るぞ?」
「わかったよ、蓮ちゃん。」
「よし、今度こそ建てるか。」
「ラジャー‼」
「まず土台を作ろう。
入土台がいい。
105×105ぐらいで。
それから、柱、桁、束、も105×105だ。
それから、」
「何か長いね。
それに、泰ちゃんの方が分かりやすい。」
「どうも。」
三十分後。
「………でこれで家が一軒できる訳だ。
わかったか?」
「ごめんわかんね。」
「うん。」
「そうか、じゃあもう一回説明す、」
「いやいや、それより早く建てよう‼」
「うんうん、早く建てよう‼」
「そうか?じゃあ建てるか。」
《あっぶねー‼》
「それじゃ、まず桧、
桧葉、杉、栗、欅、
それから。」
《また始まったぁぁぁ‼》
結局本格的に建て始めたのは二時間後でした。
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