その37
図書室二階。
「全く、びっくりしたわ。
本を開いた瞬間に水がかかったんだから。」
「ごめんなさい。」
「……次は周りをしっかり見てゆっくり蓋を外すように。」
「わかりました。」
「……いつもあんな感じなの?」
「うん。」
「失礼します。
泰智様少しいいでしょうか?」
階段付近でユミさんが泰智に聞く。
「はい、何でしょうか?」
「少しお嬢様が話したいと。」
「泰ちゃん、さっきの?」
「確定でそうだと思う。
……はい、わかりました。」
「お嬢様、どうぞ。」
ミユはユミさんの後ろから出てくる。
「さ、お嬢様さっき私に話してくれた見たいに。」
「わ、わかってるわよ。
あの、その。」
「あの~、その前にいいか?」
「な、何ですか?」
「すいませんでした‼」
泰智はミユに土下座をする。
「……へ?」
「さっき、説教とかしてすまなかったと思う。
少々大人げないと思った。」
「いや、ち、違うの。」
「……え?」
「私が来たのはあなたにお礼を。」
「……あれ?
もしかしなくとも早とちりの勘違い?」
「確かに私は妹を地下に閉じ込めてしまった。
それは私があの子の事を何も知らなかったことで起きた。
それを気づかせてくれてありがとうという感謝の気持ちを言いに来ただけだ。」
ミユは少し照れくさそうに言う。
「あ~、いや何て言うかその。
相手が子供ってことを後半から忘れてあんなことを言ってすみませんでした。」
「こ、子供じゃないもん‼
明日でもう12才だもん‼」
「あ~、ごめんごめん。
十分大人ですよ。」
「わかればいいのよ。」
「おー、ミユが初めてデレた。」
「ミチさんってお嬢様の事を普通に言うんですね。」
「まぁ付き合いは長い方だからね。」
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