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俺達の冒険物語  作者: 梅松
エリュテーマ王国編
208/1019

その34

図書室の二階。


「……へぇー、本読むの早いね。」


「そ、それほど早くありませんよ。」


「そう……それよりその本を読んでみてどう思う?」


「まだ序盤らへんですけど。」


「その序盤の感想を聞きたいの。」


「……どこにでもある絵本みたいな感じでした。」


「おぉ~、そう当たりだよ。

その本は大分昔の絵本なんだよ。」


「え、そうなんですか?」


「……おねぇ、暇~。」


「そういわないの。」


「何か他にないの?

魔法のステッキとか‼」


「それなら、あそこの箱に魔術で作った物あるから見ていいわよ。」


「わーい‼」


「す、すみません。」


「いいのよ。

ここに来るのは一部の人しか来ないし。」


「なら、ここに来たときは絶対にここに来るよ。

そうすれば本の話で盛り上がるよ。」


「その時はクッキーと紅茶を用意しとくわ。」


「わたしが来たときは何も用意してくれないのななぜかしら?」


「おねぇ、あなたはまず本を返しなさい。」


「それを言ったらおしまいよ。」


「ミチ様~、言われた本を取ってきました~。」


スミレは飛びながらそう言う。


「ありがとう。

スミレ、少し休憩した方がいいわよ。」


「いえ、私はまだやることがありますので。」

 

「香奈ちゃん香奈ちゃん‼

この瓶の中に入ってるの何かな⁉」


「早苗、あんまりさわらないの。」


「ちょっと中身確認していい⁉」


「いいわよ。」


「やった~‼

……ぐぬぬぬ中々空かない‼」


早苗はそういって思いっきり蓋を外そうした。

蓋は外れたが瓶が早苗の手元から離れて下の階に落ちる。


「あ、落ちちゃった。

香奈ちゃんどうしよう。」


「ハァー、まったく。

早苗、濡れてない?」


「うん、大丈夫。」


「落ちた瓶は回収しときます。

どこに落ちました。」


「ちょうどこの下に。」


「魔術棚の方ですか。

……あ、確か男性の方がそこに行きました。」


「え?」


香奈と早苗は下の方を見る。

そこには頭に水を被った泰智がいた。


「あ、あの~、泰ちゃん?

だ、大丈夫?」


泰智は満面の笑みで本を閉じる。


「早苗。」


「は、はい‼」


「そこから動かないでね。」


泰智は本を本棚に戻すと物凄い勢いで走る。


「ギャァー‼

よりによって泰ちゃんに落ちちゃった‼」


「み、ミチさん‼

あの水に何か魔法とかかかってますか⁉」


「その水は確か失敗作だったから何の効果があるのかわからないわ。」


「ひー‼」


「おっ待たせ~。

早苗、ちょっとこっちにこい。」


「あ、はい。」


「早苗、今回はわざとじゃないんだよな?」


「は、はいそうです‼」


「失敗は誰にもある。

その失敗を元に頑張れよ。」


「い、いつもの泰ちゃんじゃないよ‼

何、瓶頭にぶつけておかしくなったの⁉

それとも何かたくらんでるの⁉」


「よし、殺す。」


「何で~⁉」


「まともなことを言ったらこれだ。

……早苗ちゃん、ここから飛び降りる覚悟はできてるかな?」


「ごめんなさい嘘です‼」


「まったく~、本はぎりぎり濡れなかったかいいものを。」


「それを聞いて安心したよ。

で、瓶は?」


「キャッチしました。

それと、タオルか何かありませんか?」

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