その32
「みっちゃん~、どこ~?」
「ここよ。」
二階の真ん中で本を読んでいる女性がこちらを見ずに本を読んでいる。
「早いわね。
明日来る予定じゃなかったの?」
「え?
蓮どういう事?」
「おねぇが日付を間違えた。」
「そ、その話は後にして。
前に借りてた本を返しに来たわ。」
「もう一年たったけどね。」
「あ、あれそうだっけ?」
「まったく。
始めまして後ろの人たち。
私はミチよ。」
「あ、始めまして。」
「後おねぇ、この本以外にも貸してたわよね。
4冊ぐらい、しかもどれも一年前。」
「つ、次来たときに。」
「何回聞いたか。」
「わー、これ何て書いてるのかわからない。」
「あまり触らないでね。
それ、古代文字だから普通の人が読んでも読めないわよ。」
「香奈ちゃんちょっと来て。」
「話聞いてる?」
「え~と何々?
……へー、昔そんなことがあったのね。」
「え……読めるの?」
「あ、はい読めます。」
「あ、そう言えば香奈考古学のスキル持ってたんだな。」
「そう言えばそうだな。」
「ちょっとこっち来て話しましょう。
聞きたいこともあるしね。」
「あ、はいわかりました。」
「あ、私も私も。」
「……俺ちょっと下の方の本読んでくるわ。」
「じゃあ俺も。」
「私はここに残っとくね。」
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