その10
「あ~、疲れた。」
「ほ、本当に疲れたよ。」
二人は近くのベンチに座る。
「いや~、何であんなに人がいたんだろうな。」
「わからないわ。
それよりそろそろ手を離して。」
「あ、悪い。
……香奈、さっきの話の続きなんだけど、
その……ごめん、俺いつも周りのためにやってるのに
結局は迷惑をかけてしまったな。」
「いいよ。
でも、次も無茶な事をしたら許さないよ。」
「多分それは無理だろうな。」
「何でよ?」
「それは、」
その時、突然鐘の音が周りに響きわたる。
その音は何かおかしな音がした。
「な、何?」
鐘の音はすぐに鳴り止んだ。
「それで、無茶しなきゃならない理由は?」
「あ、それより何か買ってくるよ。
そこで待っといて。」
泰智は急いで走り去る。
「もう、何よ。
……いつも心配してるのに。」
香奈は空を見上げていると後ろの方で何かが動く音が聞こえた。
「え、何⁉」
香奈は慌てて後ろを振り向くとそこには金髪の少女がポツンと立っていた。
見た目からしてまだ9歳位の歳だろうと思った。
「な、何やってるの?」
「遊んでるの。」
「誰と?」
「一人で。」
「お父さんやお母さんは?」
「いないよ。」
「兄弟や姉妹は?」
「……。」
少女は少し気まずそうな顔をした。
「お姉ちゃん今暇?」
「暇だけど。」
「じゃあ遊ぼう‼」
「え、でも。」
「遊んで……くれないの?」
少女は少し泣きそうな顔をしている。
「そ、そうだね何して遊ぶ?」
「じゃあかくれんぼしようよ‼」
「わかったわ。」
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