その49
午前六時半。
「どうした蓮、そんな難しい顔をして。」
「いや。何でもない。
それよりあいつらを起こさないとな。」
「まだ六時半だぞ、そっとしといてやれよ。」
「お前はもう少しゆっくり休め。」
「そうだよ泰智君。」
「あ、香奈おはよう。」
「おはよう。
野狐君達はもういったの?」
「さっき見送ってきた。」
「私も見送りたかったな。」
「あれ、香奈まだ怒ってる?」
「怒ってません。」
「もっとスマイルだよ香奈。」
「わかってるよ。」
「ほら笑って笑って。」
「むぅ~。」
香奈そういって頬っぺたを膨らませる。
「何か今子供っぽかったな。」
「それは同感。」
「もう知らない‼」
香奈はそういって部屋に戻る。
「……蓮、俺何か香奈に酷いことした?」
「いや、してないと思うけど。」
「もうなに寝てるのに。」
香奈が入った部屋から早苗が出てきた。
「何か香奈ちゃん拗ねてたよ。
蓮ちゃんと泰ちゃん何したの?」
「早苗、俺なんか香奈に酷いことした?」
「う~ん、多分昨日の夜のことかな。」
「え、俺なんかした?」
「昨日泰ちゃんが寝言で何か言ってたよ。」
「……とりあえず香奈と話してくるわ。」
「あ、中入る?」
「中に入って大丈夫なのか?」
「多分大丈夫と思う。」
「じゃあとりあえず話してくるわ。」
泰智はそういって部屋に入る。
「……ちなみに何て言ってたんだ?」
「教えな~い。」
「こいつ。」
感想や評価、ブグマよろしくお願いします。




