その13
森の中に進むにつれると、
妙に静かになっていく。
「静かすぎるな。」
「そうだね泰ちゃん。」
「静かすぎて不気味。」
「そうだな早く木選んで帰ろう。」
「ねー、蓮ちゃん。
木何てどれも一緒じゃん。」
「一緒じゃねーよ。
木の形で家の完成を左右させるんだから。」
「ねー、泰ちゃん。
スキルがあると色々変わるもんだね。」
「そうだな。」
「お前も人のこと言えねーよ!」
「言い争ってないで、
早く選びましょう。
蓮くんとりあえず何本の木が必要なの?」
「とりあえず15本必要だな。
なるべく長いやつがいい。」
「なるほど、大胆なんメートル?」
「二メートル以上なやつ。」
「それより、俺ら四人で運べるのか。」
「あ、」
「考えてなかったのか。」
「ここから村まで数十メートルあるよ。」
「…とりあえず二本ぐらいで。」
「わかった。二本ね。」
ガサ
「うん?」
「どうした早苗。」
「どこかで何かが動いたような?」
「本当か?」
「うん!
多分そこらへん。」
ガサガサ
「やっぱりこの辺に何かいる!」
「早苗下がってろ。」
「う、うん。」
「この辺りか?」
ガサガサガサ
「いやこっちか?」
「蓮ちゃん、蓮ちゃん。」
「どうした?」
「音が増えてる。」
「え、」
ガサガサガサガサ
「やばそうだよ。」
「お、おーい泰智助けて…。」
辺りを見渡したらいつの間にか、
泰智や香奈がいない。
「ど、どうしよ蓮ちゃん。」
「お、俺に聞かれたって。」
ガサガサ。
「ん?」
「どうしたの?」
「動きが止まった。」
………れ。
「何か聞こえてくるね?」
「そうだな。」
……され。
「立ち去れって言ってるのかな?」
「わかるの早いな。」
「この森から立ち去れ。」
「はっきり聞こえるね。」
「誰だ‼」
「さもなければこうだ‼」
突如目の前を槍が通り抜けた。
「怖ぇぇぇ‼」
「逃げよう蓮ちゃん‼」
「でも囲まれてる気がする。
ほらそことか見てみ。」
「え?」
俺が指さした先には、
草の茂みに光る赤い目。
「ど、どうするの?」
「うーん、
………………お手上げだな。」
次は、泰智、香奈パートです。
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