その46
噴水広場。
「それで、その半人の里って何ですか?」
「そうだな~、簡単に言うと半人しか住んでいない小集落かな。
たま~に人間が来るけど問題ないよ。」
「野狐、行くとこないんだったら行ったらどうだ?」
「そうですね……ならぜひお願いします。」
「じゃあよろしくね。
……え~と名前は?」
「あ、野狐です。
こっちは妹の天狐です。」
「こ、こんにちは。」
「なるほど天狐ちゃんに野狐君か。
なら、私のことはお姉ちゃんと言ってもいいよ。」
「そ、それは。」
野狐は少し照れくさそうにしている。
「うん、わかったお姉ちゃん‼」
「よし、じゃあ明日移動するからしたくしといてね。
他に質問があったらできる範囲で答えるよ。」
「なら、バス…」
「ナッキー、ちょっと話があるんだが。」
「あ、ごめん今のなしで‼」
「問答無用‼」
シュリはそう言うとナッキーの首もとをつかんで強引に裏路地に連行する。
「あ、なら何で髪の毛が黒とピンクの交互に別れてるんですか?」
「え~と確か泰智君だっけ?
それはね、私の親が影の一族だったからさ。
あ、母親が狐の半人で父親が影の一族だよ。」
「へー、いわゆるハーフってやつか。
そうだよね蓮ちゃん‼」
「いや、親が半人の時点でもうハーフなんだけどな。」
「早苗、ちゃんと話を聞こうね。」
「はーい。」
「他に質問ないかな?」
「なら、ヒッ…。」
「よし、お前も連行だ。」
「あ、もういらしていたんですか。」
エリもシュリに裏路地に連行される。
「あ、なら今何の仕事をやってるんですか?」
「う~ん、今は半人の奴隷解放などの仕事をしてるな。
言わば解放軍だな。
ちなみにその軍の幹部だ。」
「け、結構凄いことをしてるんですね。」
「まー、小難しいことは団長に任せてるんだけどね。」
「その団長も半人の何ですか?」
「そうだよ、少し変わった半人だけどね。」
「何の半人何ですか?」
「鬼の半人さ。
団長のパワーは凄いんだよ。
あと、お酒好きだな。」
「……へぇ~、ぜひ一度戦いたいな。」
「泰智、お前段々と戦闘狂になってるぞ。」
「それよりさ、今から酒飲みに行こうぜ‼
そこの黒髪の兄ちゃん、一杯だけ奢る約束だよな‼」
「このじじぃは本当に空気を読めないな。
まぁ、酒を飲むのは賛成だけどな。」
「あ、俺らは未成年だから遠慮しときます。」
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