その21
「そう言えば野狐、戦闘はできるのか?」
「一応できます。
でも、昨日剣を折れてしまって。」
「じゃあ俺の剣を貸しとくよ。」
泰智は走りながら野狐に剣を渡す。
「す、すみません。」
「大丈夫だ、まだ3本あるから。」
「そろそろ見えてきたな。」
「う~ん、見たところ四階建てかな?」
右に曲がると例の建物が見えてきた。
「ちょ、ちょっと待て‼
お前らすぐに曲がれ‼」
蓮は二人を止める。
「な、何だ?」
「お前らあそこを見ろよ‼
建物の前に見張りがいるぞ。」
二人はチラッと見ると見張りが二人ほどいた。
「あー、いたな。」
「あ、危なかった。」
「作戦を考えないとな。」
「いや、その必要はない。
俺が正面から入る。」
「は?」
「いや、だから俺が劣りになるってことだ。
お前らは裏口から入れってことだ。」
「いや、裏口とかあるのか?」
「じゃあ俺があいつらを少し遠くに引き連れて正門に入る。
それでいいか?」
「まぁ……それでいいけど。」
「よし、じゃあ行ってくるよ‼」
「ちょ、待て待て‼」
泰智は剣を構えて走り出す。
そして見張りの一人を殴りに逃げる。
見張りが建物の扉を開けて泰智を追いかける。
その後、建物の中から10人位が更に追いかける。
「……大丈夫何ですか泰智さん。」
「ああ見えて多分大丈夫だ。
それより早く行くぞ。」
「無事でいてくださいね。」
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