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その11
「あー、確かに早いな。」
五秒もしないうちに走ってきた人物は、
泰智の前に立つ。
フードをとるとその男にも耳が二つついていた。
「おい、キサマ妹に何をやった?」
「俺の買った商品を盗んだから捕まえた。
それだけだ。文句ある?」
「お、おい泰智。」
「いや、すまなかった。
妹がたいへんご迷惑を。」
狐の男は頭を下げる。
「え、ちょっとお兄ちゃん⁉」
「……随分ものわかりがいいな。」
「いえ、私の能力であなたの心を読ましてもらいました。」
「そ、そうか。」
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