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俺達の冒険物語  作者: 梅松
エルネア王国編
132/1019

その11

「あー、確かに早いな。」


五秒もしないうちに走ってきた人物は、

泰智の前に立つ。

フードをとるとその男にも耳が二つついていた。


「おい、キサマ妹に何をやった?」


「俺の買った商品を盗んだから捕まえた。

それだけだ。文句ある?」


「お、おい泰智。」


「いや、すまなかった。

妹がたいへんご迷惑を。」


狐の男は頭を下げる。


「え、ちょっとお兄ちゃん⁉」


「……随分ものわかりがいいな。」


「いえ、私の能力であなたの心を読ましてもらいました。」


「そ、そうか。」

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