その10
「ヤバイヤバイヤバイ‼
何かすんげー人が増えてる‼」
後ろを振り返るとさっきの倍人が追ってきている。
「まてやゴラァ‼」
「追い付かれるのも時間の問題か。」
「おーい、泰智‼」
隣の通路から蓮とおねぇが走ってくる。
「お前は何でそう面倒なことを。」
「今回は俺のせいじゃねーよ‼」
「隣にいる子誰?
まさか、私に隠れて浮気をして‼」
「してねーよ‼
誤解されるような言い方するな‼」
「おー、泰智が珍しくキレてる。」
「感心してる場合か‼
でもいいところに来た、少しこの子を預ける‼」
泰智は蓮に子供を渡して、
ポケットから何かを取り出す。
いかにも何かやばそうだった。
「なー、それなんだ?」
蓮は恐る恐る聞いてみた。
「え~と、ラベル書いてあったな。
何々、アセチレンと銅?
とりあえず投げるか。」
「待て待て待て‼
それ非常に発火しやすい」
蓮が言い終わる前に泰智は投げた。
瓶が割れた瞬間物凄い爆発を起こした。
蓮達も爆風で少し転ぶ。
「……やったぜ。」
「お前バカか‼
運よく少し転んだだけですんでよかったけど。
それよりこの子誰だ?」
「あー、俺の買った商品をパクったから、
追いかけて捕まえたんだ。
驚くことにこの子は耳がもう二つあるんだよね。」
「へ、へーそうなんだ。」
「何かあんまり驚いてないな。」
「まー、この世界ならそんなのもいるだろ。」
「お取り込み中失礼ですが、
その子逃げようとしてますが。」
メイシャがそう言うと女の子は逃げる。
「大丈夫だ。
ちゃんと縄に繋げてある。」
女の子は縄のせいでこける。
「さて、荷物返してもらおうか。」
「あーあ、もう逃げれないな。」
女の子は観念して紙袋を渡す。
そしてフードを外す。
「お兄さんよく私を捕まえたよね。
狐族の私に追い付くなんて。」
「まー、こっちはよく走ってますからね。
それで君狐族なんだ。」
「まーね。
でもこれで終わったわけじゃないよ‼
まだお兄ちゃんがいるからね‼
お兄ちゃんが来たらあんたなんかコテンパンだよ‼」
「へー、兄弟だったんだ。」
「た、泰智、あそこから誰か走ってくるんだが。」
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