その9
「……何で幼い子って足が早いんだろう?」
「何を一人でぶつぶついってるんですかマスター?」
「独り言だ。
しっかし早いな。
……あ、転んだ。 あ、お前は喋っていいって言うまで喋るなよ。」
「了解‼」
泰智は袋を盗んだ子に近づくと、
右手のポケットからナイフで襲ってきた。
泰智は避けて右手首をつかんでナイフを取り上げた。
「こらこら、小さいお子さんがナイフを振り回したら危ないでしょ。」
泰智はナイフを近くのゴミの山に投げるように捨てた。
その瞬間子供は逃げようと泰智に蹴りをいれようとした。
泰智はとっさに避けたとき風が吹いて子供のフードが飛んでいく。
フードの下は小学校3年生ぐらいの少女だった。
ただ1つだけ気になるところは耳がもう二つあったことだ。
「……え~と、何で耳が二つもあるの?」
少女は慌てて飛んでいったフードを再びかぶり直す。
「み、見られたくないものだった?」
泰智は質問していたが一向に答えなかった。
「いたぞー‼
こっちだー‼」
少女の後ろの方から男の声が聞こえる。
その声で男の方に人が集まってくる。
少女は後ろを振り返る。
「え~と、お友達?
じゃないよな。」
男が五人ほどいてそれぞれ武器を持っていた。
少女は慌てて逃げようとして泰智の後ろの通路に逃げようとしたが
泰智の後ろの方にも男が一人いて少女を捕まえる。
「やっと捕まえたぞ‼
さて、ついてきてもらおうか。」
少女は抵抗したが体が小さいため身動きが取れなかった。
「おーい‼
捕まえたぞ‼」
「……え~と俺はどうすれば?」
「あともう一人いるから捕まえてくれー‼」
泰智は一瞬何を言っていたのかわからなかった。
「……え~、俺もかよ。
おい、このお前何勘違い、」
「ふっふっふ、これでお前らの悪事はもう終わりだな。」
その男の人は話を聞いていなかった。
「……しゃーない。
こうなったらあれをするしかない。」
泰智は男の人めがけてパンチを繰り出した。
男はとっさの出来事でかわせず顔面にもろパンチが当たった。
「さて、逃げるか。
あ、お嬢ちゃんもこっちこい。」
泰智は少女の手を引っ張りながら逃げる。
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