その29.5
午前3時。
「……あ、また布団で寝てなかった。」
蓮はそういってトイレに向かう。
「ふぅー。
さて、もう一回寝るとするか。
……泰智はどこに行った?」
蓮は辺りを見回して玄関のドアが開いてることにきずく。
「外に出たのか?」
蓮は玄関のドアを開け周りを見るが誰もいない。
「あれ、どこに行ったんだ?」
「蓮、こっち。
屋根の上にいる。」
声のする方を見ると泰智が屋根の上で寝そべっていた。
「いや、お前危ないだろ。」
「蓮もこいよ。
あと、面白い訪問者もいるからよ。」
「ん?面白い訪問者?」
蓮は近くにあった梯子を掛けて屋根に上る。
そこには泰智とあの日以来のギフティーがいた。
「ぎ、ギフティーが何でここにいるの⁉」
「いやー、さっき起きたときにすでに居たんだよ。
何してるって聞いたら誰もいないところで話をしようだって言ったから
屋根の上にした。」
「よ、久しぶり。
仕事が少し空いたからちょっと様子を見にきた。」
「何からつっこめばいいのかわからない。」
「まぁそう言うなよ。
後少し報告しに来ただけだ。」
「誰か来るまで待ってたかいがあったよ。
俺だけだといろんなところ忘れるからな。」
「ハァー、でその報告は?」
「いやな、俺の仕事は魂を裁くだけじゃなくて、
異世界の監視もしてるんだよ。
そこでお前らがきて大体……2週間ぐらいか、
他のやつらどうなったと思う?」
「……知らね。」
「俺は、頑張ってるんじゃないのか?」
「え~と、大体異世界に転生したのが300人ぐらいだったな。
……お前らを含めて残り73人。」
「え、それって結構やばくね?」
「大抵が転生したのが危険なモンスターとかいたからな。
今回一番転生した場所が面白かった所は、魔王の城だな。」
「いや、最初っからその人らクライマックスじゃないか。」
「まー、転生場所はランダムだしな。
仕方ない仕方ない。」
「……それだけですか報告は?」
「まぁこれだけだ。
あ、後あの時言ってなかったことあったんだよな。
無事魔王倒したら願い事叶えてやる。
あ、倒したのがお前らのパーティーだったら四つ叶えてやる。」
「……えらく良心的じゃないですか。
魔王ってそんなに強いの?」
「ああ、相当強いぞ。
……え~と、たいき君だっけ?」
「泰智です。」
「うん、強いぞ泰智君。」
「あ、後一つ聞きたいことが。」
「何だね?」
「こころって異世界人ですか?
それとも俺達と同じ人間ですか?」
「……あの病室にいた子か。
残念ながらそれは教えれない。
ま、そのうちわかるさ。
では、私は帰る。
じゃあな。」
その言葉と共に光が現れ、
ギフティーを包み込んで消えた。
「……消えた。」
「ああ、消えたな。
……もっかい寝るか。」
「そうだな。」
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