その8
何時間ぐらい寝ただろうか?
俺は、そんな気がしない。
いつも、起きてるつもりなのに
いつの間にか寝てるからだ。
「おーい、蓮?」
そもそも睡眠には、
「起きろ。」
声がしたので目を開けてみる。
「お、起きたか。おはよう。」
「ん、おはよう。」
「お前、よく寝れるな。」
「え、?」
俺は周りを見ようと頭をあげる。
その瞬間何かにぶつかった。
「いってぇぇ!!!」
「ヒヒーン!!!」
俺は声でわかった。
俺は馬に頭をぶつけた。
「何で馬が?」
「その馬、お前が寝たときからいたんだよ。」
「マジか。」
「まー、とりあえず早く手伝ってくれ。
言わなくてもわかるだろう?」
「あー、看病しろとか?」
「あってるよ。
早く来てくれ。」
「わかった。いくよ。」
俺と泰智は、⑤の家に向かって歩く。
俺が寝てる間にもう夜になってた。
「どれぐらい寝てた?」
泰智に聞いてみた。
「大体、四時間ほど。」
大分寝てた。
少し歩いて、⑤の家に着いた。
「何手伝えばいい?」
「とりあえず、タオルをたらいにある冷えた水に浸けて、
患者の頭にそっと置く。」
「わかった。
……早苗たちは?」
見たところ早苗達やキドさんがいない。
「キドさんとウズルさんは、
見張り、早苗と香奈は寝てる。」
「なるほど、じゃやりますか。」
俺と泰智はひたすら、タオルを冷えた水に浸けて、
患者の頭に置いた。
「よし、こんなもんだろ。」
ふー、疲れた。
「そういえば、今何時だ?」
「さぁー。」
「さぁーて、どこかに時計とかないのか?」
「あったらさぁーとか言わない。」
「ハァー、とりあえず何か喋ろう。」
「そうだな。」
「あっちの世界だと、何してただろうか?」
「この時間だと、もう寝てるな。」
「そうだよな、
……親とか何してるだろ?」
「多分、俺達の遺体とか、見て泣いてるだろ。」
「お前は、何でそんな物騒な発想が思い付くんだ?」
「よく地震とか、殺人事件とか、
親は泣いてるだろ?」
「そうだが、」
「誰だって、子供が死んだら泣くさ。
それに、」
「それに?」
「それに、子供が死んで泣かないやつは、
その子供に愛情がないってことさ。」
「…………………。」
「さぁ、こんな空気じゃ元気でないし寝るか。」
「………そうだな。」
「お前、寝れるの?」
「………言わなかったら寝れてた。」
「何かゴメン。」
「それより、これ付けてみないか?」
俺は、ギフティーに貰った眼鏡を取り出した。
「あぁ、この眼鏡か、暇だし付けてみるか。」
俺と泰智は眼鏡を着けてみた。
「…………。」
「反応がないな。」
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