その7
しばらくして、俺達は無事に村に帰ってきた。
「ふう、着いた。」
「馬がいると変わるもんだね。」
「それより、早くこの人達を降せ。」
「はーい。」
俺達は馬から、捕まってた人を降ろして歩く。
「泰智よ。」
俺は歩きながら泰智に聞いた。
「ん?」
「この人達、昏睡状態なんだよな?」
「そうだよ。」
「どうしたら、目が覚めるん?」
「昏睡状態は、長引けば長引くほど、
目覚める確率は低い。」
「そうなんだ。でも、テレビとかで
よく昏睡してても、起きてるのは何故なんだ?」
「人によって別々だ。
ある人は、脳へと血液を運ぶ動脈の閉鎖によって
脳虚血をおこして、昏睡状態になる。」
「ヘ、へー」
俺は半分理解できなかった。
「そもそも昏睡とは、外部からの刺激が
加えても反応がない状態のことだ。」
「お前、そんなに医学得意だっけ?」
「スキル」
「あ、はい。」
「他に聞きたいことは?」
「じゃあ、お前、いつからそんなに喋れるんだ。」
「何故話がそれた?
まぁいい、元々俺は喋るぞ?」
「ヘ?」
「俺は、あんまり人と話すのが苦手だ。
初対面の相手とか何を話せばいいのか分からない。」
「そういや、そうだったな。」
「そろそろ着くな。」
「意外と短かった。」
「あ、君達。おーい。」
そこには、キドと男性が一人いた。
「キドさんお待たせしました。」
「とんでもない‼私のお願いを聞いてくれたし、
私たちを助けてくれた。本当にありがとう!」
「そちらの人は?」
「助けてくれてありがとう。
俺は、ウズルと言うものだ。」
「よろしくウズルさん。」
「ウズルでいい。泰智君。」
「あれ?名乗りましたっけ?」
「キドさんに聞いたんだ。」
「そうでしたか。」
「よろしくです。キド」
「よろしくな。蓮くん」
「ところで、他の人は?」
「そろそろだと……お、きたきた。」
「おっ待たせー。」
「お待たせしました。」
続いて早苗たちがきた。
「泰ちゃん、ここに降ろせばいい?」
「うん。そこだ。」
「キドさんお待たせしました。」
「君達本当にありがとう。」
キドさんとウズルさんは頭を下げる。
「でも、まだ安心出来ません。
この人達は、昏睡状態です。
いっこくも早く、診ないと。」
「そうか、どうすればいい?」
「この村にも診療所とかないのか?」
「⑤の家に少し薬品あるかもしれない。」
「では、案内してください。」
「わかりました。こっちです。」
泰智とキドさんは⑤の家に行った。
ふー、戻ってくるまで休むか。
「ねーね、この人誰?」
「俺は、ウズルだ。
よろしくな、早苗ちゃんに
香奈ちゃん。」
「こんにちはです。
あれ?名乗りましたっけ?」
「さっきもおんなじこと聞かれたが、
キドさんに聞いたんだ。」
「そうなんですか。
失礼しました。」
「いや、こっちも説明するのが遅れたがな。」
「あの猫どこ行った?」
俺はしばらく寝ることにした。
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