その13
泰智パートです。
「こころの謎は深まるばかりだな。
……こころ、むやみにアームを触らないで。」
こころは泰智の言うことを聞かずアームを自分に着ける。
「ハァ~、まぁいいや。
あ、そうだユアさんに聞いてみよう。」
「はい、何でしょうか泰智様?」
名前を呼んだ瞬間泰智の隣に現れた。
「うぉ、ビックリした‼
久しぶりですねユアさん。」
「お久しぶりです。
私の名前を呼んだってことは何か聞きたいことがあるんですか?」
「あ、そうそう聞きたいことがあっわ。
ビックリして忘れてた。
……このアームって俺達と同じように来た人にしか見えないんだよな?」
「はい、そうです。
このアームはこの世界に来た人にしか見えません。
泰智様より先に来た人にも見えます。」
「じゃあさ……この世界に来た人がこの世界で死んで、
転生したとしても見えるの?」
「どういう意味ですか?」
「あ、そうですね。
すみません順をおって説明しないとですね。
質問は色々あるんですがまだ時間はありますか?」
「はい、大丈夫です。」
「じゃあまずこの世界で死んだらこの世界で転生ですか?
それとももといた世界に転生ですか?」
「それは、転生の間で選択できます。
他に何か?」
「転生するとき記憶は?」
「完全ではないですが無くなります。」
「転生した人がこのアームを見れますか?」
「うーんそうですね。
その例は数少ないですからね。
少し待ってください。」
そう言ってユアさんは目を閉じる。
一分位で再び目を開ける。
「お待たせしました。
えーとですね、多分見えます。」
「多分ですか。」
「すみません、数が少ないですから上司があやふやな返答したもんで。」
「上司関係あるんだ。」
「それで、まだ質問は?」
「あります。
……この少女こころって言うですけど記憶喪失だと思うんですけど、
記憶喪失にしてはおかしいと思うんです。」
「少し待ってください。」
そう言ってユアさんはこころのおでこに手をあてる。
「……確かにこれはおかしいですね。
私は脳の専門ではないですからわかりませんがこれは異常です。」
専門とかあるんだ。
「あ、もう時間です。
そろそろ戻らなくては。」
「そうですか、色々とありがとうございました。」
「それでは。」
ユアさんはそう言って手を振って光とともに消えた。
泰智は消えるまで手を振った。
「さて、どうしようかな。
とりあえずこころアーム返して。」
こころは首を傾げる。
「ハー、自分で外すよ。
ちょこころ手をはなせ。」
アームを外そうとしたがこころが抵抗する。
「ほらいいこだから手を離せ。」
「お邪魔しまーす‼」
早苗が勢いよくドアを開ける。
「あ、」
「あ、泰ちゃんが浮気してる。」
「お前は何を言っている?」
「冗談は置いといて何やってるの?」
「こころがアームを外さないから取り返してるの。」
「なるなる。」
「見てないで手伝え。」
「ほーい。」
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