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俺達の冒険物語  作者: 梅松
霊獣編
1004/1019

今はまだ

「…と言うわけでみんな手伝ってくれないか?」


 蓮は一通りイーライ達の事を説明し手を合わせて頭を下げる。みんな快く引き受けてくれたがジャックが浮かない顔をしていた。


「ジャック何か不満か?」


「不満はじゃあないが…そのイフリートだろ相手。勝てるの?」


「そういや俺イフリートってどんなのか知らないんだけど…イーライも言ってたけどそんなに不味い相手?」


 一瞬不安になり怖くなってきたが一度決めたからには最後までやろうという思いで不安を払った。


「あまり詳しくはないがイフリートは原初の炎って異名を持っているやつだって本には書いていた。女神と魔王が現れる前にいた怪物です。ですがイフリートはその前に倒されたとも書かれていた。」


「へー、この世界ゲフンゲフン!イフリートってそういうやつなんだ!知らなかった!」


 一瞬朽ちを滑らしそうになり咳き込んで勢いで誤魔化した泰智の顔は少し赤くなっていた。


「ですが、少なくとも強敵です油断はできません。」


「だな。よし、こんな事いう義理はないけどイフリートが現れるまで各々準備してくれ!」


 みんな頷きそれぞれ準備や気持ちの整理する為家を出る。


「ちょっと良いか泰智?」


 泰智に聞きたいことがあった蓮は引き止める。


「うん何だ?フウいても熱いから川に行きたいんだが?」


「ゲームでのイフリートってどんな感じなんだ?この世界と違うのはわかるけど少なくとも参考にはなると。」


「えー?召喚獣だったり精霊だったり…あと魔神だったりゲームだとそんな感じ。この世界だとどんなのか分からないけどね?」


「弱点とかってやっぱり水系?」


「だろうね。けど上手くいくのかは本番だな。その点は香奈さんや月影、レックスに任せるよ。」


「呼んだ?」


「呼んでない。ってレックスはもう普通に戦闘できるのか?」


「毎日行ってたかいありましたよ。最近では香奈さんから水系統の魔法教わってるので!それに泰智さんとの組手もきつかったですけど良かったです。」


「言っとくけど俺の戦い方は滅茶苦茶だぞ?誰にも教わってないから無駄な動き凄くあるし。その点だったら蓮か月影に教われ。もしくはコウとフウだ。」


「お、俺?何故だ?」


 突然そんなことを言われ戸惑うが泰智は不思議そうに蓮に聞いた。


「ヒロに飛ばされた時、国の軍隊で戦う型は習ったんだろ?」


「そうだが、基礎だぜ?」


「それでも一人の戦力を強化できる。ほら、よく言うだろ?初心に戻れって。何事もなく基礎が大事なんだよ。」


「その基礎も何も習ってないお前に俺負けたんだが?」


「一言で言うと実践不足!」


 その一言でイラッとしたが泰智との実践戦闘を比べても負けていたので何も言い返せなかった。


「落ち込むなよ。俺のはほぼ貰った力だ。蓮のは努力で付いたものだよ。じゃあちょっと出かけるわ。」


 そう言って泰智は家を出ていった。


「タイチさんって時々何か抜けてるところありますけど真面目なんですね。」


「あぁ言ってるけど…一番努力してるのは泰智だよ。貰った力をしっかり使えるように特訓してる。一回だけあいつが誰かと戦って特訓してたのは見たことがある、そこだろうな俺が勝てないの。武器や能力がどうのこうの以前に気持ちから負けていた。」


「レンさん…。」


「けど、最近は泰智を追い抜きたいなって思い始めたよ。いつまで迷惑は掛けられないさ!」


 少し蓮は落ち込んでいたが気持ちを切り替えて言った。


「やっぱり二人に付いてきて良かったですよ。さて、俺も頑張るか!」

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