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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

乙女ゲームのヒロインは辛いよ~ざまぁされようとも推しは渡しません~

作者: 善玉令嬢


「異世界キター!」


うぃ~っす。私の名は大野優奈、OLをやっていたが付き合ってた男に婚約者がおりその女に殺されてしまった。哀れに思った女神様によって大好きな乙女ゲームの世界で新たな人生を歩むチャンスを貰った。

『聖なる乙女の一撃』と言う名の国民的RPGメーカーが作った大作である。

魔法のある世界フェアリーヘヴンに転移した主人公は魅了的な攻略対象達と共に人類の敵である魔族を殺していくストーリーだ。

このゲームの特徴はスタートした国によってストーリー展開が代わり、その国に所属する攻略対象としか結ばれなくなる。

私は自分の推し君であるノクターン王国の王子ジョンソンの元に向かうべく足を進めるのであった。


辺境伯領に着いた私は道中で山賊から強奪し

た金で王都行きの馬車に乗ろうとするが····


「あんた極東の人?就労資格が無い人は乗せないよ!」


明らかに見た目が違った私は不法滞在者だと疑われたため異世界のハロワでありゲームで情報を収集する場所の冒険者ギルドに向かった。

冒険者になるのは簡単で二足歩行が出来れば誰でもなれる。


「王都に行きてぇんなら俺が推薦状書いてやるよ、その代わり飛びきり危険な仕事を受けて貰う」


おぉ!辺境の冒険者ギルドのギルマスでノクターン王と共に先代魔王を打ち倒した辺境伯タイロンだ!

王様とは古くからの盟友でジョンソンは子供の頃から彼を慕っている。


受けた仕事は最近出没した変異種の魔物退治である、四足歩行のサイみたいな魔物だがドス黒く変異した個体が見つかったらしい。先遣隊を派遣したが一向に帰って来ないようだ。


私は転移特典としてゲーム本編の主人公のスキルである聖魔法を女神から与えられた。

RPGの回復魔法に相当し、オープンワールドのこのゲームでは野営の時に結界を張る事も出来る便利な物だ。


(オープンワールドの乙女ゲームって何やねん?って言われて荒れてたよなぁ当時····)


変異種の元に辿り着いたが状況は悲惨であった、男女2:2のパーティーであるがタンク役の大男は曲がっては行けない方向に体がねじ曲がり前衛の女剣士は虚ろな目をして血まみれで倒れている。大剣使いの青年は足が粉砕骨折しており魔法使いの少女は恐怖で涙を流し家族の名前を呟いている。


「ほいよ!」


悲劇クラッシャーの私は聖魔法で変異種を消滅させる、何が起こったかわからない少女と青年は困惑するがタンクと女剣士を復活させると喜びの涙を流して抱擁し合う。死んだ人間を生き返らせる事は出来ないが普通ならもう助からない程度の状態なら魂に干渉し生命力を吹き込む事が可能だ。


「それ聖魔法よね!?貴女何者なの?」


魔法使いの少女が食い気味に尋ねてくる。彼女は自分の名をレベッカと名乗った、宮廷魔道師を目指しているらしいが魔法学園に通う金が無いため冒険者としてお金を稼いでいるらしい。

極東ルートと機械国ルートを除けば全てのルートの舞台になる魔法学園、実質的な貴族学園と化していてノクターン王国のように高い学費を納めねばならず貴族階級の子ばかりになっていたり貴族しか入れない国もある。現実の日本でもお受験戦争はそんなもん、裕福な家の子の方が教育の環境を整えられるからね。


「ワシわぁ~!?」

「あっ忘れてた」

「情けない、それくらい我慢しなさいよ!」


いや鬼か?レベッカさんよぉ····すっかり治療を忘れていた大剣使いの青年の骨を再生させギルドへ戻った私達は冒険者達から称賛を受けた。流石にむさ苦しいオッサンばっかで息が詰まりそうなため、タイロンの待つギルド長室へ向かった。


「良かった!本当に無事で良かったよぉ!お前ら!ジョナサンとアネッサはもうすぐ結婚式だろ!」


タンクと女剣士か····死亡フラグ立てて危険な任務向かうなよ、私いなかったらお通夜確定だったろこのギルド。


その後タイロンに貰った推薦状を見せたら馬車の役人は態度が豹変しVIP待遇でもてなされた。レベッカと大剣使いの青年もお供させて欲しいと付いてきたが駒は多い方がいいから連れてく事にした。


「俺の名前はズラタンって言うんだ、実家はイシェリ子爵家何だけど領地経営が火の車でさ····」

「魔法学園の入学金払えないって馬鹿みたいでしょ?幼なじみの私が付き合って冒険者やって稼いでたってワケ、まぁアンタのおかげで私達も特待生として推薦して貰ったけど」


イシェリ子爵家はゲームだと横領で取り潰された家だな。馬鹿息子の入学金に困ってたワケか、子爵家にも恩が売れたなぁ~。



馬車旅を終えた私達は魔法学園の入学式に向かった。やはり苦労を知らなそうな貴族のボンボンばっかだ、OLだったお姉さんが人生の辛さを教えてやろうか?と言うより何でOLだった奴が15歳に混じって学生やってんだって?童顔で小柄なんだわ、クソ元カレと夜デートすると警察に職質されるわ居酒屋で年齢確認されて免許見せても偽造だと疑われて最悪だったわ。レベッカとズラタンのクソガキ二人にも同年代扱いされてナメられてるしな。


「貧乏貴族イシェリ家の馬鹿息子じゃん」

「平民の女二人も侍らせて恥ずかしくないのかしら?」

「片方は極東系よ····怖いわ····」


貴族社会の洗礼キター、会社のお局も真っ青になるレベルやろコレ。


「これから共に学ぶ学友に向ける言葉では無いな、取り消したまえ」

「殿下!?申し訳ございません!訂正します!」

「あなた達、ごめんなさいねぇ~オホホホ」


推しキター!ノクターン王国の王太子ジョンソン、桃色のウルフカットに整った顔とスラッとした体躯····君と結婚するために今日まで生きてきたんよ~。


「ユウナって言います!結婚してください!」

「おいー!何やってんのお前!?申し訳ございません!殿下!」

「ハハッ構わないよイシェリ君、面白い子だね。タイロンおじさんが推薦するだけはある」


ジョンソンにも私の活躍が伝わっているようだ、これは初対面からかなり好印象では無いかな?


「平民風情が王族に気安く話しかけないでくださる?」

「誰お前?」

「お前は馬鹿か!トレント公爵家ご令嬢のゾルバイユ様だ!ジョンソン殿下の婚約者様だ!」


婚約者?いやいやいや、ゲームでは誰とも婚約なんかしてないんだが?つーかトレント公爵家令嬢ってこんな高飛車そうな女だったか?もっとほんわかした大人しいキャラだったような····


「学園にその件は持ち込むなと言っているだろう、それに学園は魔法の学舎····この中では誰しもが平等だ」

「そんなものは建前ですわ、学園は貴族社会の縮図です」


典型的な悪役令嬢じゃん····乙女ゲームにそう言うキャラいらないし制作側も作らないんよなー、ざまぁされるだけのキャラにリソース割きたく無いし嫌われ役なら男キャラ出した方が得だしね。


「身分の違う人間と関わり見識を広げるための学園じゃ無いの?」

「····不敬罪で死にたいのかしら?」

「そのような罪は無いしユウナさんの言うと通りだ」


苦虫を噛み潰したような顔をしたゾルバイユが取り巻きを連れて立ち去る。


「ざまぁ~」

「いやお前さぁ、いい加減にして!?一緒にいるこっちの心臓が持たないから!」

「私はスッキリしたけどな~そもそもあの女と殿下の婚約ってまだ正式には決まってないでしょ?」

「kwsk」

「私は学園に在学中は誰とも婚約しないと陛下に言っていたのだがあの女がワガママを言い出して自分と婚約するように言ってきた、トレント公爵は忠臣だからな····断れなかったのだろう」


トレント公爵はタイロンさんと国王夫妻と先代魔王を討伐した時のメンバーなのだ、今は威厳のあるオジサンだけど当時は小柄なかわいいショタだったからなぁ~。ジョンソンを黒髪にした感じの王様とワイルドガチムチのタイロンさんとの同人めっちゃ読み漁った思い出。


「一応候補とはしているが····他の家が忖度して名乗りを上げないから事実上決定したかのようになっている」

「私も立候補する」

「出来るかボケナス!身分的に無理だわ!」

「ハハハ」

「ごめんなさいねぇ~殿下、この子頭が弱いから····」


ズラタンに頭をチョップされたのを見たジョンソンが微笑む、尊いわ~。最後にレベッカにディスられたもののジョンソンと別れ私達は入学式に向かい校長の詰まらない話を寝て聞いたのであった。


寮ではレベッカと同室だった、野郎ばっかの工業高校出身だった私は恋バナに彼女を誘う。


「流石に王族はねぇ····仮に結ばれたとしても待っているのは茨の道よ?令嬢連中が幼い頃から当たり前のようにやってる作法を今から習得しなきゃならないんだから」

「でも聖魔法使えるし邪魔する奴らはぶっ飛ばすし」

「うん····そう····好きになさい」

「何だ?その馬鹿にした反応は!?レベッカはズラタンにいつ告るの?」

「う~ん、こっちが折れたみたいで癪なんだよねぇ~本当ムカつくわぁ~人の気も知らないでさぁ」


ズラタンは相当な鈍感だから大変そうだ。いつの間にか私達は寝ていたようでOL時代のアホ上司をボコボコにする夢を見た。



そして翌日、学園生活がスタートした。私は一番上のAクラス、レベッカとズラタンも同じクラスだ。


「おはようユウナ、よろしく頼むよ」


勿論ジョンソンもAクラスだ、他の攻略対象達もだ。ゾルバイユは一番下のDクラスだった、ゲームだとAクラスだったのになぁ。

その後オリエンテーションがあり進級や単位の説明を受けた。かなりシビアで落としてはならない単位を落とせば即留年確定だ。入るのは世界トップクラスに難しいけど卒業は簡単な某国の教育機関とは偉い違いだぜ····

その後はお互いの自己紹介をした後に放課となった。


「ジョンソン一緒に帰ろー!」

「良いよ」


令嬢方の視線が痛いけど知ったことか。婚約者候補筆頭だったゾルバイユが最下位クラス落ちと言うやらかしをした今、婚約者レースはAクラスの高位令嬢達が躍起になるだろうけど。


「帰って明日からの予習するよ!」

「え~!めんどくせーよー!」


レベッカもズラタンを上手く誘えたようだ。健闘を祈るぜ相棒。


学校を出た私達は少し離れた喫茶店に入りお茶にする事にした。ジョンソンはゲームと同じで甘党みたいでコーヒーに砂糖3個も入れていた。


「苦いの嫌いなんだ?かわいい」

「ハハハ····恥ずかしながら····」


砂糖なしで飲めて大人っぽいとジョンソンに言われるも私二十代でこの子とは結構離れてたんだったわ、そりゃお子さまにコーヒーは苦いでしょうよ。


「婚約者の件だが····自分の立場は分かっているんだ、国のために身を捧げねばならない事は····でも····」

「とりあえず今はそう言うの考えなくて良いでしょ、せっかくの学園生活なんだからそっちに全振りしなきゃ」


ジョンソンの顔が晴れる、ゲームだと攻略パートでも大人びてたけど実際に話してみると年相応なんだなぁ。その後はたわいも無い話しに花を咲かせお互い帰宅した。レベッカも大成功だったようで寮の部屋で祝勝会をした。


翌日からはハードな授業に魔法実習と慌ただしく過ぎて気付けばあっという間に季節は初夏に移り変わる。


とある日、昼ご飯を食べにジョンソンやレベッカ達と食堂に向かっていたらゾルバイユの取り巻き達に呼び止められる。


「ジョンソン殿下?ゾルバイユ様と言う婚約者がおりながら平民の女にかまけてばかりいるのは失礼では?」

「まだ確定した訳では無いし学友と食事をして何が悪いんだ?」

「そーだそーだ!親分に伝えとけよ」

「平民、発言を許可しておりま····」

「なら私が許可する、そして今後二度と学園内で身分の事は持ち込まないでくれ」


汚物を見る目で私を睨む取り巻き共を尻目にジョンソンと腕を組んで食堂に向かう。ゾルバイユさんも焦るよねぇ、入学後は毎日一緒に帰ってるからジョンソンは貴女に割く時間は無いのですよ。


そして翌日の放課後、ジョンソンと手を繋ぎ下校するがゾルバイユ本人が取り巻きを従え立ちはだかる。


「平民とのお遊びは楽しいですかぁ?」

「邪魔だ、どいてくれ」

「貴方が私との婚約が嫌な事は100歩譲って認めましょう····ただ代わりの相手が平民と言うのは····ねぇ?」

「生まれた家の権力しか誇れる物が無いの?」


ゾルバイユは私を今にも殺さんとする顔で睨み付ける。こいつ性格変わりすぎでしょ、ゲームだとほんわか癒しキャラだったんだが。


「ユウナの言う通りだな、私には君が英雄トレント公爵の威光を振りかざしてるようにしか見えないよ····失礼する」

「あっかんべー」


ゾルバイユは顔を真っ赤にさせてる、ざまぁみろ~。取り巻き連中はおろおろしてて可哀想に。

ゾルバイユ、顔はショタ時代の公爵と瓜二つなのに性格が終わってるんよなぁ····しかもDクラスでもドベに近い成績らしいし流石に家柄だけじゃ王族と結婚するには役不足感。


そして時は更に過ぎて学年末。順調過ぎて怖いわぁ、突如現れた悪役令嬢さんは劣化して相手にならんしこの前はジョンソンのパパとママの国王夫妻と四人でお茶会したしなぁ~王妃様は先代魔王討伐の時から変わらず美人だったわ。クラスメイトにも最近は認められて来たし····あと遂にレベッカがズラタンのハートを射止めて婚約を結んだ、ズラタンは学園入って以来イケ化が凄まじかったからライバル多かったけど良かったよ。幼なじみの大勝利····良いよね。


「それで?アンタのXデー何時なのよ?」


レベッカとズラタンの次はジョンソンと私の事でクラスの話題は持ちきりだ。寮室でレベッカにジョンソンのプロポーズのタイミングを尋ねられる。


「多分学年末パーティー····かな?インターンでしばらく会えなくなっちゃうし」


学年が上がると魔法コースに騎士コース、そして経営コースに分かれる事になり私とレベッカは勿論魔法コースで半年間他国の神殿へインターンに行く事になる。ズラタンは騎士コースだから辺境伯のタイロンさんの所でひたすら特訓だろうね。ジョンソンは経営コース····と言うより側近の攻略対象の皆と一緒に政務のお手伝いするみたい。ゾルバイユは進級出来るかも怪しいらしい、どうでも良いけどね。



学年末パーティーの前日、ジョンソン達が全員急用のため私一人で帰る事となった。冬が近付き薄暗くなってきた夕方の帰り道····誰かに付けられている事に気付いた私は人気の無い公園にソイツを誘導する。


「誰?気持ち悪いんだけど」


黒いローブを纏った黒髪の女だった、目の焦点が合っておらずヤバい雰囲気を醸し出してる。


「私のペットちゃんのご飯にしてあげるねぇ」


女が召喚したのは一つの胴体に三つの首を宿す犬の顔の化け物····ケルベロスって奴かな?

黄色く光る目に耳元まで裂けた口の醜悪な顔をしている。


「私の才能を認めなかった学園に復讐するんだぁ~恨みは無いけど死んでねぇ~!」

「キッショ」


私はワンパンでケルベロスの胴体を破壊した、ケルベロスは奇声を上げて消滅していく。


「な····何で!?魔法すら使わないって!?」

「魔力の練り方下手すぎ、粘土より脆いよあんなん?アンタ魔法の才能無いから辞めれば?」

「ひ····ひぃ!」


怯えて逃げようとする黒ローブ女だが私を殺そうとしたのに逃がすワケ無いじゃん。


「待ちなよ」

「ユウナー!」

「ドピャア!」


特撮ヒーローばりのキックが決まり黒ローブは顔面を崩壊させて吹っ飛び気絶する。キックの主は少し遅めに現れたヒーロー、ジョンソン。ただ悔やむべきは私一人でどうにかなるレベルのザコであった事。


「ジョンソン!」

「無事か!?すまん!禁忌魔法の反応があったため転移して来てみたが····君に恐い思いをさせてしまったね····」

「多分恐がるタマじゃ無いっすよその女」

「彼氏の前でだけ乙女ぶるの止めて貰って良いですか?」


ズラタンとレベッカ····後で覚えとけよ!さてその後に王都警備隊が駆け付け身元を調べた所この黒ローブ女は元貴族令嬢で魔法学園を退学になっている。実力不足なのに禁忌魔法ばっか覚えようとして進級試験で試験官と生徒に怪我を負わせたらしい。ただ実家のクルーン男爵家が領内の魔物への対処で財政が逼迫し寄付金が必要な修道院に送らなかったため家出みたいな扱いになっていたのだ。


「クルーン卿!困るな、金が無いなら王家に相談して貰わねば!ユウナの身に何かあったらどうするつもりだったんだ!?」

「申し訳ございません!」


見え張りたいのは分かるけどさぁ····私じゃなくて市民の人が被害に会ってたら洒落にならなかったよ。


「んで?何でコイツがユウナを狙ったの?」

「恨み自体はいろんな所で買ってそうだけどな」

「こんな変なのに会ったこと無いよ」


警備隊のお兄ちゃんが自白させる魔法具を使いローブ女はベラベラと依頼をしてきた奴を吐いた。カフカス男爵令嬢····ゾルバイユの取り巻きかよ。


「もう用済みだからバイバイ」

「嫌ぁ!ごめんなさい!ごめんなさい!許して!何でもするから!ほらパパも謝って!」

「何でもする?うん?じゃあ死ねって」


狂人ぶってた奴が自分が命の危機に晒されると心を入れ替えたように命乞いし始める····虫酸が走るね。散々迷惑かけた父親にどの面下げて謝罪させようとしてんだよ。


「待てユウナ!」

「ジョンソンでも今回は聞かないよ、目には目を歯には歯をって言うでしょ?」

「そう言えば砂漠の国にそう言う教訓あったわね」

「そうじゃなくて····こんな奴のために君の手を汚しちゃ駄目だ!」

「えっ····」

「ハイハイ!惚気は後でごゆっくりどうぞ~!取り敢えず毒杯ドリンクバー行っとく?」

「絶対に元は取れない奴か」


エッグいブラックジョークで夫婦漫才をかますレベッカさん達の提案を受けたクルーン卿は毒杯を娘の口に流し込む。


「止めて!パパ!やめ····グエエエ!」

「良かったなぁ····貴族のまま逝けるんだよビソン····」


ビソンちゃんは泡をブクブク出しながら苦しさに顔を歪ませ死んだ。ぶっちゃけかなりの温情措置だろコレ、貴族としての名誉ある死だぞ武士の切腹と同義だ。


んで翌日カフカス男爵令嬢に事情聴取した所、案の定ボス猿女の指示でした~っと。だけどゾルバイユを呼び出したら私は何もしていないと宣った。


「そんな····ゾルバイユ様が暗殺者を手配しろと····」

「知りませんわ、この者が勝手にやった事です」


クールに配下を切り捨てる悪役令嬢ムーブしてるつもりだろうけど目が泳ぎまくりな。


「誰がやったとか関係無くてさ、配下のやらかしはトップであるお前の責任なの」


知らぬ存ぜぬ配下が勝手にやった事を貫くゾルバイユに私は言ってやった、部下の成功は自分の手柄で失敗のケツを拭く事は無いOL時代のクソ上司そのものじゃん。


「カフカス男爵家令嬢はしばらく自宅謹慎だ、ユウナの温情により大事にはしないと言う事を胸に刻んでおくように」

「はい····!ユウナさん、ごめんなさい····!」

「アンタを罰した所で一番の悪がのうのうとしてるからね」

「平民風情に頭を下げるとは情けない····公爵家の力で貴女の家など潰してさしあげますわ」


カフカスちゃんは涙目になり震える、この期に及んでまだそんな下らない事言ってんのか、このバカ女は。それにトレント公爵はそんな事をする人じゃ無いから。


「気に食わない家を権力で潰すような方では無い、公爵を侮辱するな!公爵に今回の事は報告させて貰う」

「一身上の都合で自主退学って感じ?留年にならなくて良かったね」


カフカスちゃんも他の取り巻きも全員が私達の後を追い部屋を出る、あ~あ見限られたね。

応接室に一人残されたゾルバイユの狂気に満ちた叫び声と物に八つ当たりする音が聞こえる、怖っわ。


やっと悪役令嬢との対決に一区切りが付いた、後は夕方のパーティーでのプロポーズを持ってゲームクリアだ。ゲームだと他の攻略対象に浮気もしたけど今回のゲームは周回なんて無い、生涯を添い遂げるんだ。



そして始まった学年末パーティー、進級を喜ぶ者に単位が足りずにもう一年やり直す者など悲喜こもごもだけど····みんな楽しそうだなぁ。


「ユウナ~殿下のスピーチ始まるよ~」


華やかなドレスに身を包んだレベッカに教えられスピーチをしているジョンソンの方に向き直る。


「さて、ここからは私事で申し訳ないが····ユウナ!こちらへ」


ジョンソンに呼ばれ聴衆の前に私は出る、みんなの顔を見れば何を期待してるのかなんて丸分かりだ。


「ユウナ····君の事を愛している、私と共に生涯を歩んで頂けますか?」

「うーん、どうしよっかなぁ····ウソ、喜んでお受けします」

「ブラボー!」

「やったね!ユウナ!」

「今日はめでたい日だ!酒を持ってこい!」


ガキが酒なんて早ぇわ!レベッカとズラタンは自分の事のように喜んでくれている、特にレベッカは大泣きだ。他の生徒達からも祝福され私は婚姻の誓約書に判を押した。


その後はあっという間に春が訪れた、インターンにより少しの別れがあるけど三ヶ月後の夏季休業の時に結婚式を挙げる事が決まった。ジョンソンと攻略対象達に見送られレベッカとズラタンと共に王都を離れる。


ちなみに悪役令嬢のゾルバイユは学園を休学し私達が卒業するまで修道院に行く事が決まったが、その修道院から姿を消したらしい。近辺は全て捜索したらしいけど人っ子一人見あたらなかったそうだ、魔物に食べられたかな?あとトレント公爵が私に謝りに来てくれた、魔物の対策に忙殺されて家に帰れてなかったからゾルバイユの暴走を止められなかったみたい。どうやら一年半前から人が変わったみたいになってジョンソンと婚約させろとか言い出したみたい。一年半前って言うと私がこの世界に転移した辺りか、どうでも良いけど。


辺境伯領でズラタンと別れた私とレベッカは隣国の港から船で極東の島国に向かった。東アジアの文化をごちゃ混ぜにしたキメラな国の寺院で私達は魔法の洗礼を受けた。魔力の増大と使える魔法の広がりを感じていたある日の朝、レベッカが大慌てで新聞の朝刊を持ってくる。


「魔王軍による王都襲撃····?王族は全員死亡····?」

「ユウナ····」


魔王軍との戦いは卒業した後のはず····何でこんな早くに攻めてきたの?寺院長が特急船の手配をしてくれてノクターン王国に直ぐに向かう。


「あぁっ!王都が燃えてる····」


誰もいない国境検問所近くの丘から見えた王都は赤い火に被われ天高く煙が登っていた。レベッカは絶望で両膝を地面に付けうなだれる。すると魔王軍の兵士達が私達を取り囲んでいた事に気付く。


「レベッカ!立って!動かなきゃ死んじゃうよ!」

「いつもの威勢はどうしたよ!」


現れた人影は大剣の初撃で半数をなぎ払った。逞しい身体付きになったズラタンがレベッカを背負い辺境伯領まで連れていってくれた。


辺境伯領に着いた私達はタイロンさんから起こった事を全て聞かされた。まず行方不明になっていたゾルバイユは魔王となっていた。私への怨みによる膨大な負の感情を四天王の一人に見いだされ魔族へと堕ち王国に復讐のために軍を差し向けたそうだ。彼女は付与魔法の才能があったようで負の魔力により多くの魔族を強化したらしい。王様と王妃様は四天王最強の魔族と相討ちで戦死し多くの貴族と兵士達が倒れたらしい····


「ジョンソンは·····」

「すまん、行方不明だ····」


攻略対象達も無事なようでジョンソンが行方不明な事を知らされる。まだ死んだとは限らない····ただそれでも絶望的なこの状況に私は頭を抱えるしか出来なかった。


「お前に迷ってる時間などは無い」

「ソルのガキじゃねぇかよ」


トレント公爵だ、身体は返り血と土埃にまみれ激戦の後を想像させる。ソルは公爵の下の名前だけどタイロンさんにとってはかわいい弟分って感じだからなぁ。


「下の名前で呼ばないでくれ····ユウナよ聖魔法を使えるお前だけが魔王軍に対抗できる唯一の希望だ、お前の戦う意思を確認する時間は無い」

「ふざけんじゃないわよ····あんたの娘のせいでこうなってんのよ!大切な人を失ったばかりのユウナによくそんな事を言えるわね!?」

「やめろレベッカ!申し訳ございません閣下!」

「かまわん。それだけは変えようが無い事実だ····全てが終わればこの低度の命であれば捧げよう、だが国を守る盾として陛下から授かった民を守る事が私の使命だ、手段は選ばん」

「大丈夫だよレベッカ、まだ死んでるって決まった訳じゃないし」

「ユウナ····」

「すまん····!」

「俺達はそもそも負けてねぇんだよ!」


タイロンさんから庭を見るように促され覗いてみるとそこには多くの市民達が避難していた。


「ウチの領は土地だけは死ぬほどあるからなぁ!国民全員連れてきてもお釣りが来るぜ!」

「ユウナさん!」

「カフカスちゃん!無事だったんだね!」


カフカス男爵令嬢とゾルバイユの元取り巻き達が避難した人々に温かい食べ物を配っている、学園のクラスメイトの令嬢達もだ。


「殿下が魔王軍の襲来を予見して全ての街や集落に転移門を置いたんです!兵士の皆さんの誘導のおかげで市民の皆さんには一人も犠牲は出てません!」

「ジョンソンが····」

「ただ一方的に虐殺された訳じゃあ無い、迎え撃って相手の第一陣は全滅させ魔王軍最強の四天王グライカは陛下と王妃様が命を賭けて討ち取った」


何だ····悪役令嬢のざまぁターンなんかじゃ全然なかったんだね。こっちはまだ誰も諦めてない、守るべき罪なき人々も全員守った。反撃はここからなんだ!


「公爵!私はどうすれば良いの?」

「礼を言う····!お前は聖女となり魔族を滅ぼして貰う、歴代聖女の遺した遺跡に向かい洗礼を受けるのだ!」

「ユウナ!私も連れてって!」

「レベッカだけ行かせる訳には行かねーよな、俺も行くぜ!」

「ありがとう!レベッカ!ズラタン!」


攻略対象達も付いてきてくれて私達は直ぐに旅に出発した。私達がいない間、市民の人々は公爵とタイロンさんが死んでも守ると言って見送ってくれた。


国を出る前に王都に向かう事にした私達は王都を占領していた四天王の紅一点アリドネを葬り配下も皆殺しにする。


「ダブルマタ····助けて····グハッ」

「ダブルマタ····四天王の知略タイプの奴だな」

「そいつがゾルバイユを唆して魔王にしたのかもね」

「準備終わったよ!何するの?」


魔族の死体をゴミのように山積みにし燃やした後に殉死した王国の戦死達の遺体を列べる。国王様に王妃様、学園の先生達にクルーン卿もいる····豆腐屋の息子のゴンザレスに大食いのサイレスも····

レベッカ達も涙を流している。


「王都一帯の時間を停止する魔法をかけた、これで一年間は外からは誰も入れないし遺体も風化しない」

「蘇生魔法なんて存在しないだろ?」

「聖女になれば付けてくれるかもよ!?何もしないよりは全然良いよ!」


現実はゲームじゃ無い事なんか解ってる。だけどこんな理不尽な事でみんなの未来が奪われるのは納得行かない。


王都を後にした私達は旅へと向かった。



その後はあっという間に時が過ぎた。聖女の遺跡で洗礼を受けて各地の攻略対象達を仲間にし妨害してくる魔王軍を蹴散らして行く。プレイしていた乙女ゲームを追体験してるようだった。

そして遂に最後の遺跡にたどり着き私は聖女となった。


「どうだった?蘇生魔法、手に入った?」

「ううん、体感的に魔力の上昇だけは感じてるけど····」

「意外と早く達成したからリミットまで半年あるじゃん、それまで何か考えようぜ」


遺跡を出た私達は魔王軍との直接対決に向けて準備を進めていた。

そんな折りにトレント公爵が突然私達の前に姿を現した。辺境の防衛の為の戦力が整ったため魔族領に潜入し情報を集めていたのだそうだ。


「度重なる敗戦を重ねた魔王軍は最終兵器を使うつもりだ、魔道砲と呼ばれる大砲で恐らく最初のターゲットは我が国の辺境だろう」

「ゾルバイユは王国を徹底的に潰すつもりなのね····」

「でもさ、聖女になったユウナなら魔族領ごと特大魔法で吹き飛ばした方が早くね?」


トレント公爵は押し黙ってしまう、確かにその手もあるが····とでも言いたげな表情だ。


「····ジョンソンだね」

「ああ····王子の魔力をエネルギー源にしている」

「クソ共が!」

「許せない····!」


レベッカとズラタンが怒りをあらわにする、私も同じ気持ちだが裏を返せばそこまで魔王軍は追い詰められていると言う事だ。私は全員を集め最終決戦の作戦を話したのであった。


「····名付けて『オペレーション·ノクターン』····決着を着けましょう!」



━━━━


「敵は殺さずに生け捕りにしてください!」

「難しい注文でござるな!だが御意!」

「アイアイサー!」


そして私達は最終作戦であるオペレーション·ノクターンを始動させ魔王ゾルバイユが待つ魔族の最大拠点に侵攻する。攻略対象達には魔族を殺さずに生け捕りにするように指示した、極東のサムライと南国のダンサーの攻略対象が特に元気良く返事をしてくれた。


「下等な人間が、ここは通さねぇよぉ?我こそは魔王軍四天王最強のカニメテス!」

「濁点が無いから弱そう····」

「最強ってグライカだろ····嘘つかないで貰って良いっすか?」

「コイツは私が引き受けよう、時間が無い行け!」

「お願いします!」


少しめんどくさそうな奴をトレント公爵に任せて私達は砲台へと急ぐ、発射準備はされておりタイムリミットはあと10分も無い。


「砲台に近づけるな!殺せ!」


有象無象に湧いてくる敵に機関砲の雨が降り注ぐ、フレンドリーファイアも辞さない勢いだ。


「拉致あかない!えい!」


レベッカがズラタンに魔法で翼を生やし私とレベッカを持って空に浮上する。


「ユウナ!行け!必ずジョンソン取り返して来いよ!」

「二人ともありがとう!」


ズラタンは私を砲台へと投げ入れ激励の言葉をかけてくれた。


「えーい!もう発射せよ!人間共を殺せ!」

「死ぬのはお前らだよ」

「ギェー!」


レベッカの魔法で作り上げたレーザー光線は魔道砲の発射指令室を貫き中にいた司令官達は蒸発した。


後はジョンソンを取り返すだけだ。私は発射台にたどり着き大砲に内蔵されているジョンソンを引き剥がす。


「ユウナ····やはり来てくれたんだね····」

「お待たせ····ちょっと遅くなっちゃたけど」


ジョンソンに抱きしめられた私はゆっくりとその身を委ねた····永遠とも思える合えない時間を乗り越えた私達はお互いに口付けを交わすのであった。


外ではレベッカにズラタン、公爵と攻略対象達が全員無事で出迎えてくれた。


「流石に水は差せないから外で待ってたよ?ご両人」

「発射台、外から丸見えだったから!見せつけてくれちゃってさ」

「えっ!嘘!?見えてた?」

「これは失敬した····」

「魔族は一匹残らず捕らえたぞ」


捕らえた魔王ゾルバイユを見る公爵の目は何処か悲しみにくれた物だった。結局元凶のダブルマターは戦闘能力皆無で政治力で邪魔者を排除してのしあがったタイプらしくあっさり捕らえられた。


「優奈だよな?俺だよ!俺!鬼怒羅!お前が殺された後に俺もあの女に殺されて魔族に転生したんだよ!」

「鬼怒羅なの?私よ!貴方の婚約者だった姫李花(プリンセス)よ!」

「は?」


私とダブルマターと魔王ゾルバイユ以外はポカーンとしている。何とコイツら転移前に婚約者がいると伝えず私と付き合っていた二股クズ野郎の鬼怒羅と婚約者の女が転生した姿だったのだ。昔の私よ流石に男の趣味が悪すぎるぞ····女の方もキラキラネームの癖が凄い、似た者同士でお似合いだったんだろうね。


「婚約詐欺クソ野郎!ブッ殺してやる!」

「ひぃ~優奈!助けてくれ!」

「うるせぇよゴミ共、テメーら殺すのはまだ先だから大人しく待ってろ」


成る程ねゾルバイユの性格が変わったのもコイツに精神を乗っ取られたからか。


その後、魔族共を王都まで運んだ私達は避難していた国民を集め公開処刑をする事にした。


「殺せ~!」

「よくも旦那を殺したわね!」

「裏切り者の公爵令嬢も殺せ~!」


愛する者達を殺され住む家も奪われた国民の怒りは相当な物であった。


「え~っと····一応裁判をしますけど····死刑に賛成の人ー?はい死刑で」

「ふざけんじゃねぇぞ!どこの後進国だよ!」

「認められないわ!私だけでも助けなさい公爵令嬢よ!」


死刑に全員挙手だ。まだ自分の立場を解ってない鬼怒羅と姫李花が喚き立てる。


「頼むからゾルバイユの身体で喋んなゴミクズが」


私は聖魔法でゾルバイユと姫李花の魂を分離させる。ゾルバイユは憑き物が落ちたかのような優しい顔つきに戻り涙を浮かべ始める。


「ごめんなさい····私は何と愚かな事を····お父様····」

「ゾルバイユ!済まなかった、お前を一人にしてしまって····みんな!俺が代わりに死んで償う!娘だけは助けてくれ····!」


国民達は気まずそうに顔を俯ける、流石に精神を乗っ取られていたゾルバイユを殺す事は出来ないようだ。


「馬っ鹿じゃねーの!?キッショ!早く私を元に戻せよ!殺すぞ!浮気クソ女!」

「優奈!俺達は愛し合ってたじゃないか?俺を助けて二人で暮らそう!」


ジョンソンやレベッカ達はもちろん国民のみんなも汚物を見る目で口汚く喚く幽体の女と鬼怒羅を睨む。


「もう喋んなクソ女。仕事で疲れてたからアンタみたいなクズ野郎を好きになっちゃったんだろうね····ただ皮肉にもそのお陰でジョンソンに会えたから、それだけは礼を言っとく」


私は聖魔法で魔族共の魂を食らう死神を召喚する。


「な····何よ!?この化け物は!?嫌だ!やめろ!やめろおおおおおお!」

「優奈!助けてくれ!嫌だあああ!」


ゴミ二人は勿論の事、生け捕りにした四天王カニメテス等の魔族達も飲み込む死神。その後、死神の体は光となり飛散し王都を守り散って行った戦士達の心臓を動かし始めた。


「ゴンザレス····?」

「リリア?俺?生きてる?」

「サイレス!良かった····!」

「シシリー····悲しい思いをさせてごめんよ」

「貴方!あなたぁー!」

「ビソンの元に行くには早すぎたようだ」


ゴンザレスやサイレスら兵士達にクルーン卿らの貴族達も生き返り愛する者達との再開を喜んだ。


「なるほどねぇ~魔族共の魂を分解したのを死んだ人達に与えて蘇生させた訳か····」

「魔族相手だから出来たけど倫理的にNGじゃねーか?」

「確かに····その魔法は危険だ」

「父上!母上!」


国王様と王妃様の復活で皆が歓喜に湧き二人は手を振りながらそれに応える。


「悪いが禁術指定にさせて貰うよ····だけど、ありがとうユウナさん」

「孫の顔を見るまで死ねないものね」

「ちょっ母上!」

「だってさ~王太妃様~?」

「う····うるさい!」


タイロンさんとトレント公爵が二人に駆け寄る、公爵はもう威厳のある顔を崩壊させて泣きじゃくっている。


「ダスティン兄ちゃん····モニカ姉ちゃん····生ぎでで良がっだよぉ····!」

「お····お父様!?」

「本当に変わらねぇな!クソガキが!」

「心配かけたわねソル」

「私達がいない間、民を守ってくれてありがとうソル」


うおおお!先代の魔王討伐パーティー勢揃いだぁ!親世代パーティーのDLCやりたかったなぁ····


「とりあえず····一件落着かな?」

「うん、そうだね」


私とジョンソンは顔を見合せ、これからの未来を見据えた。




━━━━


半年後、王都は再建し私とジョンソンの結婚式が大神殿で盛大に執り行われた。

レベッカとズラタンの夫妻に攻略対象達、親世代の方々にゾルバイユ一行、元クラスメイト達が見守る。レベッカのお腹はすっかり大きくなりズラタンは父としての顔付きになっていた。ブーケはカフカスちゃんが受け取ってゾルバイユと取り巻き達が微笑んでたなぁ、元の関係に戻れて良かったよ(極東のサムライ君を見て顔赤くしてたけどあれ何?)。


「まだまだ甘えるつもりだからよろしくね!私の王子様!」

「喜んで、プリンセス」


こうして私の乙女ゲーム世界での物語は一つの結末を迎えた。ゲーム的にはクリアなんだろうけどまだまだ私達のストーリーは終わらない、これからも二人で紡いで行く事を誓ったのである。




fin



























































































登場人物紹介


ユウナ(大野優奈)····主人公、その後は王妃になり長女レイナと長男エルドレッドが生まれる。聖女として多くの人々を救った。


ジョンソン····ヒーロー(ヒロイン)、後に王位を受け継ぎ歴史に残る名君となる。王妃とのラブラブ具合は他国から苦情が入る事も。


レベッカ····宮廷魔道師となり伯爵位を授かる。多くの魔法を開発し魔法史を発展させた。


ズラタン····近衛騎士団長となり王家の盾として活躍した。妻と娘には頭が上がらない。


ゾルバイユ····南国の王子と結婚しノクターン王国との国交を結ぶことに尽力した。多くの子宝に恵まれる。


カフカス男爵家令嬢(メリッサ)····サムライの男と恋に落ちて極東の嫁ぎ首相夫人となる。他の取り巻き達も結婚しゾルバイユとの関係も続いている。


ダブルマタ(鬼怒羅)····ダブルマタ自身は戦闘より権力争いが得意な小物だが転生した鬼怒羅に乗っ取られ運命を共にする。鬼怒羅は結婚詐欺師、クズ。


姫李花····読めねーよ


四天王····グライカ以外はザコ。そもそもゲームではコイツらは一切出て来ない。アリドネはダブルマタ(鬼怒羅憑依後)に惚れていたが遊び程度にしか思われてない。


タイロン····辺境伯でギルマスのガチムチおじさん。


国王夫妻····孫が退位後の生き甲斐


トレント公爵····自分を見つめ直すために旅に出る


クルーン男爵····風俗通いはやめらんねーぜ!








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