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9.被害者たち

昼ごはんのあと教室に戻ってきた私を、モニカとフランシスカは興味深々と言った様子で取り囲んだ。


真実は話せないから、2人の質問に作り話を用いて答える。心苦しいけど。


『俺と仲がいいことはアピールしておいて』


よく分からないけどお兄様にそう言われたので、ターニャは、私自身(王女クリスティーナ)と仲が良い設定にした。


「王女殿下って同い年だけど、まだ人前に出られてないから全然分からないよね。どんな人なの?」

「明るくて楽しくて素敵な人だよ」

話を盛ることなく、私は素直に答える。


「陛下も王子殿下も王妃殿下もこの世のものとは思えないくらい美しいし、王女殿下も美人なんでしょう?」

「そう!」

周りの聖女たちに『明るくて一緒にいると楽しい』とはよく言われるけど、見た目に関しては言及されたことがない。そもそも男の人で私の顔を見たことあるのは家族だけだし。正直微妙なんじゃないかと思うこともあるけど、まぁ、否定してもややこしいだけだし、受け入れておこう。


とりあえず明日は一緒にお昼ご飯を食べられることを2人に告げると、2人とも喜んでくれた。いい友達を得たなぁと思う。


そんなところに。


「もう、やぁだぁ〜。」

「アリシアが悪いんだろー。」

「アリシア様が悪いなんてことあり得るわけがないでしょう!」

「貴様らアリシアに近いぞ!」


例の魅了の女と取り巻きの男3人がやってきた。


「周りの男の人たちって誰?」


お兄様が偉い人たちの子供だと言ってた気がするけど、全く覚えてない。


「茶髪の長髪が騎士団長の息子のアダム=デトラス伯爵令息。金髪の長髪が神官長の孫でクライス=アッカッサー伯爵令息。焦茶の短髪が宰相の息子のテオドール=ヤングン侯爵令息のはず。そうだよね、フラン?」

「そうそう。嘆かわしいわよね。親は立派だというのに、あんな女に入れ込んで。」

「聞かれたらまずいよー。」

「私たちみたいな下々の声なんて彼らには聞こえないから大丈夫よ。」


名前は覚えられなかったけど、髪の色と父親と祖父の役職だけ覚えた。てか神官長のお孫さんまで引っかっているなら早く助けてあげたい。


「前までは王子殿下もあの中にいたのだけど、今は貴女に興味がいっているみたいで良かったわ。」

「とは言っても王子殿下はベタベタせず、見守っているって感じだったけどね。」

変なところで自制心が強いお兄様だ。妹としては安心…いや、貧乳にそこまでの興味が持てなかっただけかもしれない。


「パーシバル公爵令息が注意していたのだけど、皆言うこと聞かないのよね。」

「パーシバル公爵令息って黒髪の眼鏡の人?公爵家の人だったんだ。」


私の中の貴族相関図が正しければ、公爵家はお兄様以外の人の家より位は高いはずだけど…。お兄様にもあしらわれていたし、皆にそんな感じなのかな。かわいそう。


「まぁ触らぬ神に祟りなし、よ。皆関わらないようにしているわ。一部を除いて。」

「あ、その一部が来たよ。」


モニカの視線の先には煌びやかな女性とその取り巻きだと思われる女の集団が立っていた。

誰だろう?と思ったが、答えを教えてもらっても覚えられない気がする。今回たくさん名前出てきたし。




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