20.浄化2
「クリスティーナはマジで俺のことなんだと思ってるの?」
「不真面目大魔王」
「え?俺の学園生活を見てもそう思うの?嘘だよね?」
デトラスさんが帰った後、お兄様に「休学とか言ってのんびりするつもりでしょ。」と指摘すると、上記の反応が返ってきた。
「じゃあ何をするの?」
「色々考えてるよ。」
お兄様はそれ以上教えてくれなかった。絶対サボるつもりだと思う。
「で、クリスティーナ。今日はもう1人浄化できそう?」
「次の人、神官長のお孫さんだよね。浄化したい気持ちはやまやまだけど、デトラスさんと同じくらい魅了にかかっているなら厳しいかも。」
聖力は時間をかけて回復するものなので、先ほどすっからかんになった聖力はすぐには戻らない。夜のお祈りもあることを考えると、厳しい。
「じゃあ明日にするか。明日に予定していたテオドールは来週にしよう。1番害はないし。」
「じゃあ今日はこのあとフリー?」
「だけど、テスト勉強してよ?」
「えっ。」
「当たり前でしょ。休み明けから3日間テスト実施期間だよ。」
「でも、どうせ私はすぐ学校から去るし、そこそこでいいかなぁって。」
「いや、しっかり勉強しなさい。あそこの学習内容は、貴族として必要な知識だから。」
「むぅ。その知識があったら社交界でてっぺん取れる?」
「社交界のてっぺんってなに?」
「社交界のてっぺんを目指す女の子の小説があるの。大人気小説。」
私は社交界とは縁がない生活を送っているので、小説からの知識に偏っているのだ。
「…社交界のてっぺんは無理だと思うけど、活きるとは思うから、頑張って勉強して。俺も教えるし。」
「仕方ないなぁ。」
それからお兄様の部屋でマンツーマンで勉強を教えてもらうことになった。
ちなみにクソほどスパルタで私は泣いた。
翌日。
神官長のお孫さん、クライス=アッカッサーさんが来た。
昨日と同じ手順で浄化をしていく。
やはりかなりの聖力を持っていかれたが、七割がた浄化できた。
デトラスさんと同じく『どうなってるんだ』と頭を捻るアッカッサーさんにお兄様はまた説明をする。そして彼も休学となるらしい。彼の場合は、祖父である神官長の元で厳しい修行をさせられるとのこと。もしかしたら私とお仲間になるかもね。
アッカッサーさんもグチグチ言っていたが、最終的には納得して帰って行った。
「よっし、終わった!」
「いや、今日は1人お客様が来てるから、クリスティーナも同席して。相手は女性だし、周りも女しかつけないからヴェール取っていいよ。」
「ふーん。私の知ってる人?」
そんな人ほとんどいないけど。
「さぁ?見たことくらいはあるかも。」
学校の生徒ってことかな?
そう思いながら、来客の待つ部屋に行くと、そこに待っていたのは、アッカッサーさんの婚約者であるマリアベル=サルファ侯爵令嬢だった。




