12.テスト期間
学校が終わった後、神殿に行ってお祈りを捧げる。それが学校に行くための条件だったからだ。
「神よ。今日も人々に恵みを与えてくださり感謝します。」
神の前で2時間祈りを捧げて、聖力を使い果たした私はすっきりした気持ちで祈りの場を出ると、友人の聖女たちに囲まれる。
みんな学校に興味津々なのだ。
「ターニャが二人いるー変なの。」
小さい子たちは私を指さしてケラケラ笑っている。
「君たちにも化けてやろうか~。」
そう脅かしてやるときゃっきゃと逃げていく。子どもは可愛くて好きだ。
色々な聖女たちが私を囲む中、御目当ての人を見つけた私は声をかける。
「あ、フィルア!そういえば、フィルアの妹さんと同じクラスで友達になったよ。」
「あら~フランシスカと?あの子キツい性格に見えるけど、いい子だから仲良くしてあげてね。」
「うん。どちらかというと、私が仲良くしてもらってるって感じ。学校のことよくわかんないしね。」
「しっかりしてるから、頼りにするといいわよ~。フランシスカからの手紙に書いてあったけど、これからテスト期間ってやつなんでしょう?あの子頭もいいから、勉強教えてもらうといいわ~。」
「・・・てすときかん?」
「何故、私はこんなタイミングで転入してきてしまったのか…。」
「それは同情するわ。」
図書室で頭を抱えている私。もうすぐテスト期間という、各教科の今までの授業内容を問うテストを一斉に実施する期間に突入するとのことで、勉強をしに来ていた。
「モニカ、寝ないの。早く問題集開いて。」
「勉強嫌―。」
私の横で突っ伏しているモニカを、フランシスカが軽くペチペチ叩く。今日はおバカな私とモニカが、フランシスカ先生に勉強を教えてもらう会だ。
「でも、ターニャは覚えがいいわね。勉強をきちんとすればいい成績を取れていくと思うわ。今回はすこし厳しいかもしれないけれど。」
「ほんと?嬉しい!」
「その一方でモニカ、あなたはずっと授業を受けていたわよね?なんでこんな簡単な問題ができないの?」
「辛辣〜。」
図書館なので小声で言い合いながら、勉強を進めていく。
私とモニカそれぞれが問題集を解き、分からないところがあったらフランシスカに聞くという形にしたら、私もモニカも分からないところだらけすぎて、フランシスカが頭を抱える。
「2人の面倒を見るのは難しいわ…自分の勉強も進まないし。」
「人の勉強を見てると、自分の勉強にもなるらしいよ。」
「モニカ、それは教えられているあなたが言っていいセリフではないわ。」
「私自分で勉強頑張るよ。」
「ターニャは遠慮しなくていいのよ。と、言いたいところだけど、モニカに専念させてもらうわ。」
「うん。」
私に足りないのは知識だと思うので、まずは教科書を読むところから始めようと思って教科書を広げたところ…
「では、俺たちがトラパルト嬢を教えようか?」
「殿下とパーシバル公爵令息…」
げっ!お兄様!




