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エピローグ
彼女の歌が響き渡る。
普段とはまるで違う声で歌われているそれは、彼女が歌っているのではないようだ。
だけど、別にそこが違うと思ったわけではない。
ただ、なんとなくだ。
本当になんとなく何かが違うと思ったのだ。
きっと僕は本物を知っているのだろう。
いや、"僕ではない"か。
だけど、それ自体はどうでもいいことなのだ。
しかし、おかげで彼女と友人になれたのだから。
どうでもいいことではないのだろう。
「もう少し、大きい声でお願いしてもいいかな？」
僕の無茶ぶりに、彼女は黙って答えてくれた。
少し大きくなった音が、一度取れて、くっつけただけの足に響く。
声量も歌う上では重要な部分だろう。
彼女は本来であれば、歌う為に生まれて来たのかもしれない。
こんなことを言ったら、彼女は怒るかもしれないけど。
そして、これだけの声量なら、傷つき倒れている人々にも届くだろう。
僕だけが聴くのはもったいないからね。
「～～～」
しばらくすると、歌が終わった。
それと同時に部屋の扉が開いた。
