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首斬り特待生  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第二章 白虎vs緑猿

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第四十六話 クラスリーダーを決めよう

 朝のホームルーム。

 ついに、ハルマン副校長があの件について触れた。


「今月末よりクラス対抗戦が始まる」


 ざわ、とクラス全体が騒がしくなる。


「せんせー、クラス対抗戦ってなんすか?」


 ラントが手を挙げ、質問する。


「クラス対抗戦とは文字取りクラス(かん)の戦いだ。基本的に1クラス対1クラスで(おこな)う。クラス対抗戦は8月、12月、3月を除いた月末にやることになっている。10クラスによる総当たり戦を1年かけてやっていくわけだ」


 次にヒマリが手を挙げ、質問を投げる。


「今月の対戦形式と対戦相手は決まっているのですか?」

「対戦相手とルールは今日の午後の抽選会によって決める」


 “白虎(ビャッコ)組”の面々はまだあまりピンときていない様子だ。

 ヒマリの左隣の席のカレンが手を挙げずに、フーセンガムを膨らませながら質問する。


「クラス対抗戦に勝つとなにかいいことあるんですか? 正直やる気でないんですけど」


 いい質問だ。

 みんなが気になっていたところだろう。


「恩恵は大きく3つだ。

 恩恵その1、『クラス資金』。

 対抗戦を勝てば勝つほど “クラス資金”が支給される。支給されたクラス資金をどう使うかは君たち生徒が決めていい。例えばクラス資金を使って書庫の本を増やしたり、飛竜小屋を作って飛竜を飼ったり、畑を作って秘薬の材料を自己栽培してもいい。食堂に資金を使って料理をもっと豪華にしてもいいだろう。

 ここら一帯の土地は君らの()だ。クラス資金を使い、好きに開拓してもらって構わない」


 もしも飛竜小屋があれば、寮から校舎まで飛竜で移動できる(別に飛竜が必要だけど)。秘薬も便利な物が多いから、畑を作るのもいい。食堂の料理を豪華にするのも単純だが悪くない。

 設備の増設、もしくは設備の強化か。けっこうおいしいな。


「恩恵その2、『島外活動任務の優先順位』。

 2年次より解放される“島外活動任務”では前年度のクラス順位が高いほど優先的に良い任務を手配される。このクラス順位は対抗戦の成績によって決定する」


 これが大切だ。

 2年次からはこの島外任務が成績に関わる。“聖堂魔術師”になるためには成績でトップに立たなくてはならない。良い任務を優先的に受けなくてはならないのだ。


 この恩恵を受けるために、僕は対抗戦を勝ち抜かなければならない。


「恩恵その3、『設備の使用権限』。

 クラス順位が高くないと使えない設備が学園内にはある。例として万史図書館は対抗戦の勝利数が6以上でないと使えない。最大限学園設備を利用したいなら対抗戦に勝たなくてはな」


 クラス順位によって使えない設備なんてものがあるのか……。

 恩恵を聞いて、“白虎(ビャッコ)組”の面々はやる気を出した様子だ。

 ある者はクラス資金狙い、ある者は任務の優先順位、ある者は設備を自由に使うために、奮起する。


「先生、午後に抽選会を(おこな)うと言っていましたが、抽選会に生徒は立ち会ってもいいのでしょうか」


 ヒマリが質問する。


「抽選会に参加していいのは担任教師と、クラスリーダーと副クラスリーダー、合計3人だ。クラスリーダーが抽選を引くことになっている」

「なるほど……つまり私と、ハルマン副校長と、もう1人というわけですね」

「ちょっと待った。なんでアンタがクラスリーダーor(オア)副クラスリーダーで決定しているわけ?」


 ヒマリとカレン、犬猿の2人が最前席で衝突する。


「私がクラスリーダーよ。なにか文句ある?」

「あるに決まってるでしょうが。いつ、だれがアンタをクラスリーダーだって決めたの?」

「いま、私がよ」


 喧嘩の炎がクラス最前列で燃え盛る。


「待て待て君たち、喧嘩するな。話が進まん」


 ハルマン副校長が2人の会話に割って入る。


「クラスリーダーを決める方法はもう用意してある」


「投票ですか?」とカレンが問う。


「いいや、まだ会って日が浅いんだ。誰がリーダーに向いているかなんてわからないだろう。だからこれを持ってきた」


 ハルマン副校長は教卓の上に箱を置く。穴の空いた箱だ。


「クジ引きだ!」

「「クジ引き!!?」」


 クラスの全員、驚きから声を漏らした。


「反対です! リーダーをクジで決めるなんて、ありえません」


 ヒマリは反対する、が、ハルマン副校長はヒマリの意見を聞く気はない様子だ。


「今はとりあえずクジでいいだろう。半年ぐらい経って、互いの能力が測れた後、改めてリーダーを決め直せばいい。クラスリーダーの変更はいつでも可能だ。さ! 早速引いていってくれ~!」


 ハルマン副校長は席の端、僕の列の先頭からクジを引かせていく。


「箱の中には18枚の紙が入っている。白紙の紙が16枚、〇が描かれた紙が1枚、◎が書かれた紙が1枚だ。〇を引いたら副クラスリーダー、◎を引いたらクラスリーダーだ」


 僕の前の3人は全員白紙を引いた。

 ハルマン副校長は箱を持って僕の席の前に来る。


「さ、次は君の番だ。シャルル」

「……はい」


 白紙であれ、白紙であれ、白紙であれ……!


 リーダーなんて器じゃない。ご免だ。絶対に嫌だ。

 箱に右手を入れ、折りたたまれた紙をつまみ上げる。


「これだ」


 僕はつまみ上げた紙を、両手で丁寧に開いた。

 紙に視線を落とす。紙には手書きの◎が描かれていた。


「おめでとう! クラスリーダーは君だ!」

「なっ!?」


 クラス中から聞こえるホッとした声。

 唯一ヒマリだけが、怒りの目線を僕に向けていた。


 いや……そんな目で見られても完全に運なんだから、仕方がないだろう……。


「――はーっ。面倒なことになったなぁ……」

「ついてねぇな。ま! 頑張れよ、リーダー!」


 ラントは上機嫌に肩を叩いてくる。

 クラスリーダーが決まり、後は副クラスリーダーを決めるだけ。

 ハルマン副校長はラントの列を一番後ろからまわる。ラント、およびラントの前のネストール、モニカは白紙。そして一番前、ヒマリが引く。


「おめでとう。副リーダーは君だな、ヒマリ」

「そのようですね……まぁ妥協範囲でしょう」


 〇を引いたのはヒマリだった。

 悪くはない。まだ話したことのない相手や、やる気のなさそうな連中よりはマシだろう。

 クラスリーダーは僕、副クラスリーダーはヒマリに決まった。


「シャルルとヒマリは放課後、私と共に〈ダーツ城〉に行ってもらう。ホームルームは以上だ」

「続きが気になる!」

「面白い!」


と感じましたら下の星マークから評価を頂けると嬉しいです。ブックマークも頂けるとさらに嬉しいです。あと感想とか頂けると嬉しいです。

今作はランキングとかポイントは意識していないものの、反応が無さ過ぎて虚無感があり、さすがに不安で、モチベーションがきついです……よろしくお願いします。

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