産婦人科 廃病院の医療器具 明治・大正~昭和初期 ころ 小夜物語第91話
以前。どこかの書籍で、西洋の古い外科器具を写真で見たことがあります。
そこには、、
骨を切断するための大きなのこぎり?とか
鑿の様な道具とそれを叩くハンマーとか
ものすごい怖そうな道具ばかりでしたね。
また、
ベサリウスの解剖書も見たことがあります
ゴシック的な?ほとんどホラーの様な解剖図がそこには乗っているのです。
ベサリウス(1514年生まれ)はご存じのように
歴史上、有名な外科医で。その解剖学書は古典です
そこには骸骨が変なポーズをとっている解剖図とか
嫌味?な図版で満ち溢れているのです?
☆産婦人科 廃病院の医療器具
さて、、、、、、、、、、、
私の友人で医者がいます。正確にはいました、といった方が良いでしょうね。
ずっと以前のことですがそうですね
今から30年くらいも前でしたでしょうか?
今はもうその友人は亡くなってるはずです。
というのは10数年付き合いが途絶えているからです
所在も生存も不明です。
さて
その彼が今度、なんでも京都の実家の古い家を
解体する前に整理・下見?するというので
なんのきっっかけだったか忘れましたが、 私も同行することになったのです。
今から30年前のお話しです。
その実家というのは
明治に建てられた病院であり
彼の祖父が昭和まで開業していた産婦人科医院なのです。
京都の河原町から近いそれは某所にありました。
建物は町屋風ですが規模が大きいですね
玄関は洋風で張り出し玄関には「○○醫院」という曇りガラスの表札?が、
夜はそれが電燈で光る仕組み、
中に入ると
むんとしたカビ臭が立ち込めて、、
待合室は艶のある木製のベンチがホコリをかぶってならんでいましたね
さらに進むと
診察室です。大きな医者用の豪華な椅子と
診察台
埃だらけです。
さてその奥には器具庫?があって
重い扉を開くとそこは6畳間くらいで
ガラス製の殺菌棚には様々な昔の医療器具類が雑然と
ほこりまみれで並んでしました
友人のかれは物珍しそうに
ホコリを払いながら
「ああこんなのがるんだ。これはなんだろ?ああそうだ、
あれかあ」
などと珍しそうに眺めているのです。
「おいおい、自分ばかり楽しんでないで僕にも説明してくれないか?」
「うーんまあ暇だからセツメイしてあげようか?でもセツメイしたってわからんだろ?」
まあ確かに専門器具だからわからないかもしれませんが
でもまじまじと見ると
その形状は異様で
まるで拷問器具?って印象なんですよ、
見たこともない形状
異様な形態
こんなもので手術してたんだ
怖いとしか思えませんでしたね
さてここからは当時の私のメモからの引用になります
なんと私、彼の説明をちゃんと?メモしてたんですね
というか、、よく見たら?これって友人の彼がメモしたもののコピーですね?
彼が下見の時に在庫品リストとして作ったもののようです。
わたしに専門用具がわかるはずないですものね。
というわけで以下メモを丸写し?しますので
それがどういう用具か私に聞かれても説明はできいないということを最初にお断りしておきますね。と言いつつ
私がわかる範囲で素人説明をしてみたいと思います
ということで間違った説明かもしれませんのでご了承ください、。
以下
( )内が私の説明になります
某、医者の友人の古いメモより
古い産婦人科医院の 医療器具 リスト(メモ)
聴診器・額帯鏡・触覚痛覚計セット・M式握力計
(医者が額に付ける丸い鏡ですね)
大正~昭和初期 硝子とブリキ製 イリルガートル 浣腸・腸内洗浄・点滴
鑷子・剪子・鉗子・ピンセット・ハサミ
鉗子・痔鉗子
(痔の鉗子ですか)
硝子製 木箱入 イリルガートル 浣腸・腸内洗浄・点滴
切除刀・ギロチン・開創器・鈎
(ギロチンってコワイ)
硝子製 浣腸器 100cc 3本 50cc 2本・硝子製 笹川式 尿道洗浄機
膣鏡・クスコ・圧定鈎
(膣鏡、クスコ、うーんこれで、こじ開ける)
子宮頚管拡張器・カニューレ
(これで拡張する、怖いです。カニューレというのは気道挿入具です)
開閉弁付 ノズル 膣洗浄・浣腸・イルリガートル
(イリルガートルって点滴の瓶のようなもの)
本唐木製 薬箱 薬瓶22本 薬籠・医療器具
京都医学標本株式会社製 1/1原寸大 女性下腹部 性器 人体模型
(リアルですね、性器模型です)
さてこのような明治~大正?ころの産婦人科器具をざっと見て
彼はメモしていました。
「こういうのって今もあるのもあるけど、、
医学史的に貴重かもしれないな」
などと独語しながら
メモしていましたね
器具庫でそうですねざっと3時間以上の過ごしたでしょうか。
やっと出てくると
もう3時を過ぎていました、
あとは裏庭の植栽をふたりでながめたり
「この松は移し替えたいよな」
などと話したりしましたが
まあそれ以上は見ても仕方にというので
その廃病院を出て近くの喫茶店に入りました。
そこでコーヒーを飲みながら、、、ひと時雑談にふけり、、
結局最終的には解体業者におまかせだろうけど
例の医療器具類は何とか保存できる施設を当たってみるよ
ということで私たちはそこで別れました。
京都の古い産婦人科医院
そこでは明治大正時代
場所柄?
芸妓や
娼妓の体も診察したのでしょうか?
あの異形の医療器具が娼妓の体に挿入されたのでしょうか?
ああ。
つまらない妄想は止めましょう。
でも
あの異形の器具たちを見ると
何かいかがわしい妄想に駆られてしまうのは
はたして
私だけなのでしょうか?
それとも?