戦闘3
増加した重力にしたがって、降下していく魔物が来るであろう場所を予測して、倒していくアルフレッドさんを見て、さすがだと思う。無駄な動きが一切ない。
私は、町の中に魔物が入らないように、誘導しつつ、上空の魔物に重力を転移していく。倒した魔物から重力を転移させていたため、魔物の死体が浮いているこの光景は非常に異様だろう。きっと後ろのほうではホラーだ。私は振り向きたくない。確実に夜眠ることができなくなる。加勢に来た魔術師や剣士がウワァとかうえぇとか言っているのは気のせいだ。…たぶん。
…だって、確認したくないんだもん。アルフレッドさんが切り落とした頭のない魔物が血を滴らせたまま、浮かび上がっている姿なんて。
そうこう考えているうちに上空に魔物はほとんどいなくなっていた。最後の一体を倒したアルフレッドさんを見て、一息つく。
…あ、重力を元通りにしなきゃ。軽くホラーだから、ヒューリッヒさんところにいって目に入ったら、最悪だ。
魔物にかけていた重力を元通りにすると、アルフレッドさんとヒューリッヒさんもとへ行った。それ以外は魔物の処理や被害状況などの確認をするようアルフレッドさんが指示を出した。
ヒューリッヒさんのところへ向かうと、ローズがもう報告に来ていた。
「町の付近の見回りも終わっている。上空の魔物も含め、魔物はすべて討伐した。しかし、報告にあった飛竜が見当たらない。そこで、町の警備は、ここのギルドの人間に任せて、私達でスタンピードが発生した森へ向かおうと思う。」
「お前もいくのか?ここの指揮はどうする?」
「指揮官はこちらのギルドの人間に任せた。被害状況確認などは土地勘があったり、現地の人間と親しいほうが何かと都合がいい。脅威を退けるには飛竜の討伐が不可欠だ。町に押し掛けてきた魔物をほとんど殲滅した今、しなければならないのは、飛竜の討伐だ。それに、スタンピードが発生した場所の調査はどのみちしなければならない。」
「わかった。それじゃあ、俺とヒューリッヒとイリス、ローズということか。」
「あぁ、そうだ。」
とアルフレッドさんとヒューリッヒさんで話がまとまり、森へといくことになった。
森へいく準備をしている途中、私は気になっていたことを、ローズに話した。
「ねえ、ローズ。ピアーダであったことなのに、私達、ロッゼフィードの人間だけが調査でいいのかな?」
「イリスも思ってた?私も思ったんだよね。でもね、私が、ヒューリッヒさんに報告したときにそういわれたんだよね。私達で行くって。」
「何で?」
「さあ?後で聞いてみれば?後から教えるっていってたから。」
「ふーん。ローズのとこはどうだったの?」
「それはね……。」
私たちは、準備を終え、ヒューリッヒさんたちと合流した。
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