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初出勤

中世ヨーロッパのような作りのギルドは1階に食堂がある。ギルド職員だと無料で食べることができるのだ。朝の7時から夜の9時まで食堂は開いている。イリス達は開いてまもない食堂へと向かっていた。もちろん、部屋に簡単なキッチンはついているので、自炊はできる。部屋にはシャワーと机、本棚、ベットがある、ビジネスホテルに似た作りをしている。


「もう、今日から出勤なんだから、ちゃんとしてよね。」


「大丈夫だよ。仕事はできるから。」


ソウイウモンダイジャナイ。と、ローズは言いたかったことだろう。だが残念。恐らく、イリスには伝わらない。


食堂の朝御飯は残念ながらパンだった。もと日本人のイリスとしては、米が食べたい。…が、ないものはないのだ。米のためならば、戦闘民族になれる、日本人の記憶があるとはいえ、探す宛もなければ、時間もない。


バゲットとスクランブルエッグ、ベーコンそしてサラダを食べ、コーヒーを飲んで一息つく。ローズはコーヒーを絶対にブラックでは飲まない。必ず、ミルクと砂糖をたっぷり入れるのである。眠気覚ましに飲んでいる自分とは全く違うといつも彼女を見るとイリスは思う。


コーヒーを飲みながら、今日の新聞を読む。これがイリスの日課だった。例え、幼馴染みがおじさん臭いといったとしても。


この国の識字率はそれほど高くない。そのため、新聞を一般家庭で見ることはほとんどないのである。この日課はイリスの父がやっていたものでずっと見ていたイリスもついついやってしまう。


ざっと見出しを見る。


東の山にドラゴン現れる⁉


王弟殿下帰還


王都の噴水の前の花壇に花が咲く


「そろそろいくよ」


「あっ、うん」


読むのに夢中になっていたイリスはローズの声にはっとした。


「ごちそうさまでした。」

食器を返却口に返し、食堂のおばさんに元気よく挨拶した。


「おそまつさま。新入りかい?頑張りな」


「「はい」」


ギルド職員だと言う印であるカードは入寮した時点でもらっている。それを魔法具にかざすことで食堂を利用することができるのだ。


ギルドの受付である私たちの制服は二種類ある。1つは私達が着ている金色の糸で刺繍してある、白や紺色の制服。もう1つは、銀色で刺繍してある白や紺色の制服である。つまり、違うのは刺繍のいろが金か銀か、本数が何本かの違いだ。金色であれば、緊急事態が起きたときに、戦闘に加わることができるのだ。銀であったら、緊急事態が起きた時に、市民の避難誘導など、行政にかかわることができるのだ。また、刺繍の本数によって参加できる範囲に制限がある。3本なら国内、2本なら周辺の市内、1本なら市内というように。


私たちは金の糸が2本刺繍してある、戦闘要員である。



「戦闘要員っていっても、しばらくはギルド内での揉め事の仲裁でしょ?単細胞がいないといいなぁ」


「ローズ、それひどすぎ。単細胞生物に謝って。」


「いや、あんたの方がひどいでしょ」


「何いってるの?私達人間の先輩なんだよ?」


「面白そうな話をしているね?」


「主任⁉」


からかうような声色で話しかけてきたのは、私達ギルドの受付たちをまとめるアイリーン・ゴードンである。

できる女性って感じですごくかっこいい人だ。


「もうすぐみんな来るから、挨拶をと思ってね」


しばらく話していたら、いつの間にかみんな出勤していた。


「みんなおはよう。この子たちが今日から加わる、イリス・ノーツ、ローズ・レノンだ。」


「「よろしくお願いします‼」」


私たちは勢いよく頭を下げた。


「イリス、ローズ、彼らはクリス・ライト、アルフレッド・ルーズベルト、ヒューリッヒ・リゼワーグだよ。イリスもローズもわからないことがあったら遠慮せず聞いてくれ。」


クリスさんは水色のショートヘアーにエメラルドの瞳をもった優しい感じの女の人、アルフレッドさんは燃えるような赤い髪と瞳をもった、ガッチリとした体型の男の人、ヒューリッヒさんは白金の髪にはちみつ色の瞳をもったメガネをかけている神経質っぽい感じの人。ちなみに刺繍の色は主任が銀糸3本、クリスさんが銀糸2本、アルフレッドさんは金糸3本、ヒューリッヒさんが銀糸2本である。


「今日からよろしくね。」


「ヨロシク」


「宜しくお願いします」

上から順にクリスさん、アルフレッドさん、ヒューリッヒさんである。


スタートダッシュはうまく切れたような気がする。

最後まで読んでくださって本当にありがとうございました

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