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第27話 本当に恐いもの③
飛行機が音をたてながら動き出す。
さっきまで、優希が隣に居たから気にならなかったが、動き出すとやっぱり無理だ。だが、みんながいるのに恐がっているのなんて見せない。
そんな中、優希が窓のカーテンを閉めて、無言でアイマスクと機内ヘッドホンを渡してきた。もしかして、小さい頃に言った、高い所が苦手な話を覚えておいてくれていたのかもしれない。そうだと嬉しい。
席は隣だったが、優希とは何も話さないまま、飛行機は目的地のハワイに着いてしまった。
…着いてしまった。
六時間も桜井さんが隣に座っていたのに、一言も話さなかった。
桜井さんにアイマスクとヘッドホンを渡すとそれらをすぐにつけてしまったので、話すのは、迷惑だと思い声をかけれなかった。
余計なお世話だったのかもしれない。高い所が苦手だと聞いたのは、確か、幼稚園ぐらいの頃だった。
もしかして、子供扱いしたから、怒ってるのかもしれない。




