60/273
第25話 勝負③
「光先輩。こんなところで何してるんですか?」
光先輩が体育館から抜け出すのを見て、急いで追いかけて、学校の屋上に来た。
「…相馬…ちょっとだけ、待って。すぐに戻るから…」
光先輩が泣いていた。
いつも、アニキと言いやっている姿しか見たことがなかったから少し驚いた。
「まだ、負けたとは、決まってないですよ。光先輩」
結果は、夏休みの後に出るから、まだまだ先なのだ。
「いや、負けたわ。…切り替えた。次は、勝って見せるわ。そして、優希に…何でもないわ」
そう言いながら立ち上がった、光先輩は、いつもの光先輩に戻っていた。
「立ち治り、早いですね」
「先輩からのアドバイスをしてあげる。いい、何回、負けったって、最後の勝つ事が出来たら良いのよ」
光先輩は、先に戻ってしまった。
…惚れた。
俺は、この時、絶対に光先輩を振り向かせて見せる。たとえ、アニキが、この恋のライバルだとしても、勝ってみせる。そう、心に誓ったのだ。




