第23話 引っ越しの手伝い
「ウッ…重たい」
今、俺と相馬と龍樹の三人で霧街さんの引っ越しの手伝いをしている。
引っ越し先は、俺の家の隣。
お父さんからもらった、財産を使えば、もっと、いいところに引っ越しができるのに、もらった財産は、出来るだけ使いたくないとのこと。
「先輩、僕が運びます」
「ありがとう」
さすが、龍樹。
俺が運べなかった物を軽々しく持ち上げて行く。
「アニキ、俺だって、これくらい余裕で…ぐっへぇ」
相馬が荷物を持ち上げようとして、下敷きになった。俺は、そんな、相馬を無視して、作業を続けた。
「アニキ~。助けてくださいよ」
「そういえば、龍樹。この前の大会どうだったんだ」
荷物をトラックに積みながら雑談をする。
「準々決勝で負けました」
龍樹は、かなり悔しそうだが、
「すごいじゃいか。予選に勝って、本戦まで、行ったんだ」
そんな、ことを話して、いるうちに荷物をトラックに運び終わった。
「アニキ、お腹空きましたね。何か食べてから、続きやりましょ」
「そうだな、どこか食べに…!?」
向こうの角に、小柄な影が見える。
深く帽子をを被って、サングラスをつけている。
…見るからに怪しい。
「なぁ。あそこにいるのって、お前らの知り合いか?」
「あの…」
びっくりした。いきなり話かけられた。
「すいません。…お兄ちゃんにお弁当を届けに来ました」
…お兄ちゃん?
「夏穂?どうしたんだ」
龍樹の妹だった。




