第19話 水槽の外④
「なぜ、そのことを…。貴様は誰だ!」
やはり、教頭先生だった。
「なんで、こんな事をしたんですか?」
問い詰める。
「そんな事、貴様に関係ない!」
近くにあった、鉄パイプを振り回してきた。
とりあえず、距離を取る。
「あなたは、そんな事する人じゃなかったじゃないですか!なんでこんな事を…ッ」
床にヒビ割れがあり、そこに足を引っ掛けて転んでしまった。
やばい。
教頭先生が、鉄パイプを勢いよく俺に振りかざす。
ガンッ
教頭先生が勢いよく振りかざした鉄パイプが止められた。
止めてくれたのは、真っ白いスーツみたいな服に白いマント。そして、白いヘルメットを被って、顔を隠した人で、白い警棒を使って、鉄パイプを受け止めてくれている。
「あのー。ありがとうございます。どちら様でしょうか?」
「…ヒーローがピンチの時に現れる。ヒーローを助けるヒーロー」
本当に誰だ?
教頭先生がもう一度、鉄パイプを振りかざすと、受け流し、バク転で後ろに下がった。
いや、本当に誰だよ!
たしかに、ヒーロー物で、ヒーローがピンチの時に強い仲間のヒーローが現れたりするけどさ、こんな運動神経がいい人、知り合いにいないんだけど。




