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第3話 消しゴム
6限目
授業のペースがゆっくりになり、気が抜けたのか、周りを見渡すとちらほら寝ている人がいる。
眠い。が、俺は、寝ない。
俺も隣の席には、桜井さんが座ってるからだらしない姿を見せたくないんだ。
それに、桜井さんは、一生懸命に消しゴムをカッターで、…削ってる⁉︎
何してるか、聞こうと思ったが、聞けなかった。
櫻井さんの顔があまりにも真剣だったから。
数分後
ただの四角い消しゴムが、人の形になっている。
そこで終わらず、今度は、消しゴムに色を塗っていく。
すると身に覚えがある人に…あっ!
わかった。これは、隣のクラスの中島だ。
中島?なんで、中島なんだ。
俺は、考えて、一つの答えにたどり着いた。
ままま、まさか。
中島へのプレゼントを作っている。なぜ中島かと言うと、桜井さんと中島が付き合ったから。つまり、俺が聞いた、中島がフラれたのは、嘘で実は、いいよって桜井さんに言ってもらえてた。
俺が呆然としていると、中島消しゴムが完成していた。




