第12話 恋をして②
詳しく話を聞いてみる事にした。
自分は正統派の不良で、そんな自分をリーダーに不良グループを作っていた。
「いや、正統派の不良ってなんだよ」
心の中でツッコミを入れて、我慢して話を聞いた。
はじめの頃は、仲間とわいわいやっていたが、ある時に佐藤 弦という奴に弱みを握られた。
そして、やりたくもないカツアゲを仲間にやるように指示しろ、と言われた。
「だから、僕は…あと少しで、取り返しのつかないことになるところでした。そこをあなたのお姉さんに助けてもらったんです」
錦城君が言うには、相馬がカツアゲされかけた時、仲間を倒して誰に指図されたかを聞き、錦城君の所に来た。そこで、お姉ちゃんに弱みを握られている話をしたら、お姉ちゃんが佐藤をボコボコにして懲らしめた。そこを見て惚れたのだと。
お姉ちゃんなにやってんの…。
「それじゃあ、相馬を見張っていたのも、最近俺の家を見張っていたのもお姉ちゃんに告白するためか?」
それを聞くと申し訳なさそうな顔をしながら、
「その事に関しましては、僕の責任です。僕を助けて名前も名乗らず行ってしまったので、仲間に頼んであの女の人の手がかりを探していたらここにたどり着いて、あなたのお姉さんということがわかりました」
とりあえず、一通りの話を聞いたが…本当どうすればいいんだ。
うーん。
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ…
…光だな。
「いや、うるせぇ。そして、いつもより、早くなってないか?」
勢いよく扉を開けながらそう言った。やはり、光がインターホンを鳴らしていた。
「私、インターホン連打が上達したの」
なにを上達してるんだ。こいつ。今度インターホンの電源切っといてやろう。
「さぁ、桃太郎○鉄やるわよ」
これは、光の最近のマイブームだ。
「す、すまん。今忙しいんだ。それは、また今度に」
「仕方ないわねー。その忙しいの手伝ってあげるから、早く終わらせて、ゲームしましょう」
光が手伝ってくれるのは助かる。
この状況を切り抜けることは、俺一人には出来ないと思うからだ。




